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和の世界は終わる日記

サンジスキーの管理人、ゾロの扱いが酷くてすみません。 読者様参加型小ネタやってます。カテゴリ「参加型小ネタ」よりどうぞ。

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あけましておめでとうございます、そして子ゾロ

 玄関の鍵、そして 扉が開く音に、サンジは参考書から顔を上げた。おっとやべえ、もうこんな時間だ。
 廊下から、とたとたと騒がしくも可愛い足音が近づいてきた。
「サンジー!!今帰ったぞー!!」
 どーん、と背中に効果音を背負って部屋の入り口に立った緑髪のチビっこに、サンジは苦笑した。
「こらー。4歳児が昭和の父ちゃんみたいなセリフで帰ってくるんじゃねェー」
「血が出た」
 サンジの発言は無視したゾロの言葉に、しかしサンジは仰天して、「おい、どっから!?」と、炬燵から身を乗り出した。
 すっと、ゾロが小さな右手のひらをサンジに見せてくる。母子球のところに、ちょっとした擦り傷ができ、血が滲んでいた。
「どうしたんだこれ」
 サンジが問うと、子どもらしからぬ無表情で、ゾロは、
「転んだ」
と言った。言った瞬間、口がちょっとへの字に曲がった。4歳ながらプライドの高いゾロだ、転んだことが悔しいのだろう。
「そうか、よし、じゃあバンソーコーつけてやる。その前によく傷口を洗ってな」
「泣かなかったぞ」
 炬燵から出て、立ち上がりかけたサンジの服の裾をゾロが引いた。そしてサンジの目をじっと見つめてきた。ゾロが何を求めているのか、サンジは分かっている。
 しょうがねェな、とサンジは両腕を広げた。胸に、温かいかたまりが飛び込んでくる。
「そりゃあえらかったな」
そうやって頭をなでてやると、ゾロは、サンジにますます身を寄せ、満足そうに小さく唸った。
 
 
 ゾロは、サンジとは15歳離れたはとこだ。
 保育園から帰ってきた途端に、ゾロの家のはす向かいのアパートに住むサンジの家まで、合鍵を握りしめてやってくる。
 共働きで忙しいゾロの両親は、始めこそ2歳半の息子(そう、当時は2歳半だった)が、近所とはいえたったひとりで家を出ていくことに手を焼いていたが、なんかもう無理あいつ止められん、サンジ君よろしく、とさじを投げてしまった。お陰でサンジはゾロ専用保育士となってしまったのであった。
 勿論、サンジだって高校生だから、授業が終わってすぐに帰ってこられるわけではない。
 サンジの帰りが遅いと事前に知らせておけば、ゾロは勝手に家を出たりしなくなるくらいには少し大人になった(4歳児だけど)。
 しかし今は冬休み。調理師専門学校へ進む予定のサンジに取って、一応勉強はしているが、高校生としての最後のお気楽な休みで、ゾロにとっては、帰れば「いつも大好きなサンジが居るハッピータイム(ゾロの母談)」だった。


「ハッピータイムって……そんな感じじゃねェけどな……」
 台所でゾロのおやつを用意しながら背後を伺うと、ゾロは静かにブロックを組み立てている。
 サンジの家にやってくるからと言って、サンジに遊んでほしいとかだだをこねるわけでもなく、ゾロは淡々と自分の好きな遊びをしている。ゾロの両親にはたいそう感謝されているが、ゾロの母が言うように、本当にサンジのことが大好きなのかはよくわからない。
 懐かれているのは間違いない。ほぼ表情の変わらない4歳児だが、サンジの顔を見ると瞳がきらきらんと光る。よくわからないが、サンジの何かがゾロの何かを刺激するらしい。
 そしてサンジも、もちろんそれが嬉しくないわけではない。
「ほらクソガキ、おやつだぞ」

 声をかけるとぱっと顔を上げ、ぱぱぱっとブロックを箱の中にしまい始めた。
「片付け!」
「そうだ、片付け。えらいな」
 ホットミルクにはちみつをいれてやりながら、サンジはゾロに聞いた。
「今日は保育園どうだった?なんか楽しいことあったか?」
「忘れた」
「給食は?何が出た?何が美味かった?」
「忘れた」
 これだ。
 はあとため息が出た。ゾロの口からわくわく保育園ライフが語られることは、まず無い。ゾロは周囲のことにあまり興味がないらしく、加えて人に何かを伝達したいという欲求が極端に低いようだった。息子から保育園のことが何も聞けないと愚痴るイトコ違いのたしぎが気の毒で、サンジも微力ながら、ゾロにいろいろと質問をし、話させる訓練をしようとしているのだが。
(オレも4歳の頃はこんなだったのか……?)
 忘れた。
 あ、ダメだ、こりゃゾロと一緒だ。
「ゾロー、てめェなあ、もうちょっと色々喋れよ!そんなんじゃ女子に全然モテねェぞ!大きくなってからお嫁さんもらえなかったらどうすんだ!」
「ヨメ?」
「結婚だよケッコン!お前の父ちゃんみたいに、美人なお嫁さんemoji欲しいだろこのヤロー!」
 オレも欲しー!と騒ぐサンジをしり目に、ゾロは冷静にタオルで手を拭いて冷静に炬燵へ戻った。慌ててゾロの前に、おからで作ったドーナツを置いてやる。ゾロは小さい両手をぱちんと合わせた。
「いただきます」
「はいどーぞ。だからな!ヤローはどうでもいいが、とにかく女子とは楽しくお話ししろ!聞かれたことに“忘れた”は禁句だ!お前がこれから出会う女の子の中に将来のお嫁さんが居ると思ってお話ししろ!」
 自分の為のインスタントコーヒーを淹れ、炬燵に戻ってきたサンジは、およそ保育園児にする話しじゃない話しをこんこんとゾロに語った。が、次の瞬間ゾロが放った言葉に、熱いコーヒーを吹き出しそうになった。
「オレ、サンジと結婚する」
 うわお!!
 ゾロは、パクパクとドーナツを食べながら平然と言った。
「サンジと結婚する」
 サンジは目を丸くしてゾロを見た。
 こ、これは……。
 俗に言う、子どもにありがちな「ママ(もしくはパパ)と結婚するーーーーemoji」というやつじゃないだろうか。
 どうしよう、なんかむずむずする。ちょっと嬉しい。
「いや待て、なんでオレ!?」
「水戸○門(再放送)観たい」
「アホ!ガキは妖○ウォッチだろ!じゃなくてな!」
 いかんいかん、おにいさんのオレが動揺してどうする。
 勝手にTVの電源をつけようとしているゾロの手からリモコンを取り上げ、サンジはちょっと怖い顔を作って見せた。
「残念ながらオレとゾロは結婚できません」
「なんで」
 じろり、とまるで睨む様に見つめてくるゾロの鋭い眼光にちょっと怯んだ。4歳児がする目つきとは思えない。
「なんでってなー。お前もオレも男なの。男同士は結婚できないの!」
「おとこどうしでも結婚できる国があるって母ちゃんが言ってた」
 たしぎちゃん!!何を子どもに教えてんの!!
「無理!!無理無理!!オレとお前が結婚なんてぜーーったい無理なの!!」
「なんで」
 こんな子どもに、こんなに真剣に純粋に、なんでゾロとサンジが結婚しちゃダメなんだって言われると言葉に詰まる。どう説明したらいいんだろう。
「なんで……ってな、あのな。そう!!」
 良い言い訳を思いついた。
「だって、オレは、ナミさんと結婚するから!!」
 ナミは、サンジの同級生で、ゾロとも面識があるプリティーJKだ。ゾロが少しだけ驚いたような顔をした。
「ほら、お前も知ってるだろ?ナミお姉ちゃん!美人だし優しいし、オレたちラブラブなんだよ!!悪ィな、ゾロ。もうオレはナミさんとの結婚が決まってんだ。だから……」
 ぎょっとした。早口で喋るサンジをじっと見ていたゾロの目から、ぼろぼろっと大粒の涙がこぼれ落ちた。
「ゔわああああーーーーーーーーーーーん!!!!!」
 ええええええええええええええええええええええええ。
 がぼーーーんと顎が外れた。
「おい、ウソだろ!?マジで泣いてんのか!?」
 マジもマジ、大マジに泣いているのだが、信じられなくてつい問うてしまった。 
 ゾロが泣くなんて、滅多にない。ていうか、もしかしたら初めて見るんじゃないか?
「お前……、マンガみたいに泣くよ」
 あまりに盛大な泣き方に思わず笑いそうになった。しかし、ゾロが真っ赤な顔で天井を仰ぎ、サンジが大好きなぷくぷくほっぺを涙にべたべたに濡らしながら、わーんわーんと泣いているのを目の当たりにして、サンジの胸は押しつぶされたように苦しくなった。
 ゾロは確かに、まだたった4歳の子どもだ。
「ゾロ」
 手を伸ばして、ゾロの身体を引き寄せた。泣きながら少し抵抗を見せたが、構わず引くと首にしがみついてきた。
「ごめん、ごめんゾロ」
 よしよし、と小さな背中を撫でてやる。
「ウソだよ、ナミさんと結婚なんかしねェよ」
 そういうと、ゾロはしゃくりあげながらも大声で泣くのを止めた。
「冗談だったんだ。ごめんな、泣かせたりするつもりじゃなかったんだ」
 涙で濡れた真っ赤な頬をハンカチで拭ってやる。チーンって、鼻もかませる。
「ナミとは結婚しねェ?」
 顔をごしごし拭かれながら、一生懸命聞いてくるのが可愛くて、泣かせてしまったことが申し訳なくて、正直に答えた。
「ああ、しねェよ。つーか”ナミお姉ちゃん”だろ!残念ながら、ナミさんにはすでに彼氏がいらっしゃるんだよ!ああああクソムカつくぜルフィのヤロー!」
 まあまだルフィと結婚するってわけじゃねェけどな……とブツブツ呟くサンジの両頬が、ゾロの手で挟み込まれた。
「じゃあオレと結婚しろ」
 さっきまで泣いてたのがウソのような、いつもの強いゾロの目に、なんだか笑えてきた。安心した。
「しょーーがねェなあ!わかったよ。してやるしてやる。お前が一人前のいいオトコになって、それでも結婚してくれる女子がだーーーれもいなかったら、な」
 そう答えると、ゾロの結ばれた唇がむずむずと動いた。嬉しいらしい。
「約束だぞ」
 小さい小指が差し出されて、サンジも自分の小指を絡めた。
「ああ、約束だ」
 ゆーびきーりげんまーーんと、二人で歌いながら、サンジは、このゾロは、どんな男に育つんだろうな、と思った。
 ゾロが大人になって、サンジももっと大人になって、思い出話をするだろう。そしたら絶対このことをネタにからかってやろう。酒でも飲みながら。
 それまでゾロは、サンジと結婚したいと泣いたことを覚えていてくれるかな。
 こうやって、二人で男の約束したことを、覚えていてくれるかな。
 あ、ヤベ、ちょっと泣きそう。
「よし、ゾロ!じゃあ今日はうちでメシ食ってくか?ハンバーグ作ってやる!」
「うん!」
「じゃあたしぎちゃんに電話しとこうなー」
「うん!」
 サンジの携帯を使って、母親に電話しているゾロの目が輝いている。守られることのない約束をしてしまったが、ゾロが嬉しそうなので、サンジも嬉しかった。
 この、年の離れたはとこが、サンジは愛しいのだ。




 どうか、これからも彼の人生が幸多きものであり、その人生に、少しでも関われますように。




 と、サンジはささやかに祈った。



 つもりだった。



 まさか、この時に交わした約束をゾロが忘れることなく、14年後に改めて結婚を申し込まれるはめになるとは、夢にも思わなかったサンジであった(笑)



おわり




皆様、大変遅くなりましたが、2016年、あけましておめでとうございます!!
本年、サンジイヤー!!イエー!!何卒よろしくお願い申し上げますm(__)m


久々に、長めの小ネタをアップします!
この小ネタ、一昨年の1月2日に、なんなんでしょうね、急に思いついたんでしょうね、途中まで書いて、保存したまま2年間も放ったらかしになってました……。どんなオチにするつもりだったのか忘れてしまったよ!!
で、読み直して、よし、ほのぼのゾロサンにしようと思って書きました。
本来はわたくし、歳の差ゾロサンてあまり興味ないんですよね。
だってゾロサンは同い年であってこそのゾロサンやし。
でも、ちびっこゾロサンでほのぼのしたいなーーって。私が!!
なんだか年明け早々から、聞いてるこちらの胸まで重くなるような、悪くなるような、事件やら事故やら、芸能ニュースが多くないですか?
自分のことじゃなくても、ギスギスしたことが耳に入ってくると、なんか疲れますねえ~~。
ゾロサン海の隅っこから、ほのぼの世界を願います!


は!!じゃんぴ感想も書かなくちゃ!
今日は長くなってしまったのでまた次回!


1月3日、10日に拍手して下さった方ありがとうございました!!
ブログ拍手お礼は広告の下にあるつづきから!!


拍手[3回]

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・・・拍手お礼vv

春になってきましたね~。

って、今日雪が降ったがな!!

こにゃにゃちわ!和です。
あれ!?前回の日記からあまり時間が経ってないつもりが、もう1か月経ってた!!
本日は父の月命日です。父ちゃん、あの世で元気~~?(軽ッ)


あの、すっごい今更なんですが、


サンジお誕生日おめでとう!!!!


そして、これまたすっごい今更ですが、


このサイト、10周年迎えてたよ!!!!!!


いやもうビックリです。
2004年12月オープンでした。10年……!!
何が凄いって、10年も経ったら、他ジャンルが好きになったりとかあると思うんですよ。
自分で言いますが、私の凄いところは、

好きなものが変わらない。(しつこいストーカー気質ともいう)

2次元オタク世界では、何を差し置いてもゾロサンが好きです。
安定のゾロサンスキーです。
ていうか、オタクとしては他に好きなものはないなあ。どんどんオタクじゃなくなってます。でもゾロサン好きなのだけは変わらない(笑)
って、オタクって言う言葉、みんなまだ使ってる???
全然サイトの更新できてませんが、ちょっとゾロサンから離れた方が、「あー、最近ゾロサンどうなってんの?」とフラッと戻られた時に、「うわ!world's endまだあるよ!!」って、そう、まるで、田舎に帰ってきた人たちが立ち寄る、対して美味くもない、けどいつ行っても、人懐っこいおばちゃんが「あれー○○ちゃん、すっかり美人になっちゃって!」って出迎えてくれる、田舎の食堂みたいなサイトであり続けたいと思います(笑)

でも、サイト活動もちゃんとできてないんで、オタクという意味では本当に時代遅れになってしまいました……。
今や友人裏山さんが唯一の私のオタク情報源なんですが、彼女と私では、スマホと黒電話くらいの差があります。裏山さんが何言ってんのかよくわからないことの方が多い気がします。(関係ないけどわたくし、いまだガラケーユーザーです)(裏山さんは、今はワンピと同じ、じゃんぴで連載中のHQに夢中です。裏山さんが全巻貸してくれて、私もHQ読むようになりました。青春て素晴らしい!)
今はやりの物はなにひとつやってない・分からない田舎の食堂ですが、細々と営業していこうと思いますので、皆様、思い出した時に是非ふらりとお立ち寄り下さい(笑)
今までありがとうございました!
今後とも宜しくお願い致します!

サイトにもブログにもアップしていない、過去文救済します。
私がリアル引っ越しした時に、友人蜂子さんがイラストをくれたんですよねー。
そのイラストにつけさせて頂いた文だった覚えが……。
そしてその蜂さんのイラストは行方不明……。ごめん蜂さん……!
書いたのは、2005年4月です。こーーわーーいーーーーー。
パラレルゾロサンです。拍手お礼の後、スタート!


2014年5月23日、25日、31日、6月9日、20日、7月1日、8月2日、4日、24日、25日、29日、9月6日、12日、20日、10月2日、27日、11月5日、12日、28日、12月2日、5日、31日、2015年1月13日、14日、28日、2月8日、10日、19日、22日に拍手して頂いた方、ありがとうございました!
ブログ拍手して下さった方もありがとうございました!



■お引越し■

 開かれた扉の向こうを見て、ゾロは愕然とした。

 理由さえも覚えていないくだらない事で大喧嘩をやらかしたのが2週間前。
 以来ずっと音信不通だったサンジからメールが来たのが2日前だ。前々から予定していた引越しの日取りが明後日に決まったから当日は手伝え、いや前日から来い、と。
 あまりに急なことに驚きつつも、“引越しの前日に来いだなんて、思い出深い部屋での最後の夜をオレと過ごそうってことか??んだよ誘ってんのかよ、だよな、彼これ半月以上ご無沙汰だ。こんな回りくどいメール寄越すなんざあいつもほんとに素直じゃねェなあ(ニヤニヤ)”などと、ゾロにしては珍しく妄想までしちゃったのだ。
 喧嘩していたことなどすっかり記憶の彼方にうっちゃり、残業などするものかと物凄い勢いで仕事を片付け、期待と股間を膨らませつつ、明日引き払うサンジの1Kのアパートにスーツ姿のままやって来たわけなのだが。


 ――普通、引越し前の部屋と言うのはもっとダンボールや荷物が溢れているものなのではないだろうか。


 不機嫌そうに斜めにタバコを咥えて玄関に立つサンジの後ろに見える彼の部屋は、いつもと全く同じに見える。
 引越しは明日じゃなかったのか……?
 呆然と狭い玄関に立ち尽くすゾロに、サンジは吐き出すように言った。
「遅ェんだよクソ野郎」
 そしてずいっと古新聞とガムテープを差し出してきた。
「じゃあ今から荷物詰めっから。テメェは食器担当な。オレ様の可愛い食器たちを割ったりしようもんならオロしてやる」
「……おい、サンジ、こりゃあいったい……」
「業者は朝の10時に来るから。間に合うように死ぬ気でやれよ腹巻マン」
 サンジは口の端を引き上げた。だが目が全然笑っていない。


「今夜は寝かさないぜダーリンvv」


おわり


……サイト開設当初から、うちのゾロは不憫な道を歩むことが決定されてたんですねー(しみじみ)

拍手[4回]

最近気づいた。

私、アニワンだと、船長が一番好きemoji


こんばんにゃ!和です。


だってさー、田中船長がかっこよすぎるんだよーー。
年々、かっこよさに磨きがかかってるんだよーーー。
わたくし、子どもの頃から田中さんが好きなんですが、私にとって、男性が演じる男性より、田中さん演じる男子のがかっこいいって、すごくね!?
本当、稀有な役者さんです。


今週末、東京へ行ってきます。
ええとええと、某イベントの中の一部で、私のシナリオを使って頂けることになりまして、それがプロの方に読んで頂けるものですから、こんな機会はそうそうないだろうと思い、観に行ってきます。
本当に使われるのか、まだちょっと信じてないんですけど(笑)
東京まで行って、「嘘だよバーーーカ!!」って、こんな庶民にそんなどっきりしないだろうと思いつつ(笑)



しつこく子育てゾロサンネタ~。
相変わらず、
姉1→ゾロ
私→サンジ
ぽにょ太(甥)→小ゾロ
でお送りします。



小さいゾロが、頑張っている。
「サンジと寝る!」
お風呂に入って、パジャマにも着替えた。歯磨きだってちゃんとしたし、寝る前のトイレだってちゃーんと済ませてある。本当にもう、あとは寝るだけだ。
「サンジと寝ーたーい!」
もうすぐ10時だ。本当は9時には寝かせたいのに。サンジはため息を吐いた。
「だからな、チビ、今日は一緒に寝られないんだ。明日までに、確定申告の書類を作っちまいたいんだ」
「オレも手伝う!カクテーシンコク」
「チビには、まだちょっと無理なんだよ。な、今日は父ちゃんと寝な」
「嫌だ!」
二人のやり取りを、新聞を読みながらだまーって聞いていたゾロが、とうとう声を上げた。
「いい加減にしろチビ!子どもはもう寝る時間だ!おら、寝るぞ!」
そう言うと、嫌がる子ゾロを無理やり横抱きに抱え、のしのしと寝室に入っていった。
寝室から、小ゾロの「サンジー!サンジー!」という悲鳴、そしてゾロの「痛ってェ!蹴りやがったな!」という怒声が聞こえる。
あー、知らねェ知らねェ、オレにはやるべきことが……、と聞こえないフリをしていたサンジだったが、小ゾロがサンジを呼ぶ声に、泣きが混じりだしたらもう我慢ができなくなった。
「しょうがねェなあ!」
サンジが寝室に入っていくと、布団に引きずり込まれそうになっていた子ゾロは、怪獣ゾロゴンに蹴りを入れて逃げだすと、サンジの腰にしがみついてきた。
「サンジー!」
「はいはいわかったわかった、一緒に寝るから」
抱き上げると、小ゾロは嬉しそうに、サンジの頬に頬を摺り寄せてきた。温かい。ほっぺたにちゅうを返す。そんな二人を、親ゾロは面白くなさそうに布団の中から睨んできたが、無視だ。
「よーし寝るぞ!」
小ゾロをはさんで川の字になる。はっきり言ってサンジは布団からはみ出す状態だ。背中が寒いが、小ゾロが擦り寄ってくる体の前面は非常に温かい。
小ゾロが、きらきら光る目でじっとサンジを見つめて言った。
「朝まで隣にいて」
……こいつは、大人になったら相当なタラシになるな。
苦笑いして、サンジは、優しく小ゾロの体をぽんぽんと軽く叩いた。
小ゾロに歌う子守唄はいつも決まっている。「ゆりかごのうた」だ。赤ちゃんの頃からずっと歌ってきた。小ゾロが満足そうに息を吐く。
そこへ、突然ゾロが、
「オイチビ、父ちゃんと場所換われ。父ちゃんがサンジの隣で寝る」
と言い出したものだから、小ゾロはきっとゾロを睨んだ。サンジが、「あ」と思った次の瞬間、小ゾロは、ゾロの顔にブッとツバを吐きかけ(る真似をし)た。
「こらチビ、ラクダみたいなマネすんなっていつも言ってるだろ!」
慌ててサンジが叱ったが遅かった。
「やりやがったな!」
ギャーギャーと、布団の中で親子ゲンカが始まる。
「……なあ、オレ、あっちで確定申告の書類やってきてもいいかな……」
サンジの小さいつぶやきなど、二人には聞こえない。
気づかれないようにそーーっと部屋を出ようとしたら、親子ゾロに、がしっと足首をつかまれた。


おわり



実際は、川の字状態で寝ている時、ぽにょ太がずっと私にくっついているものだから、姉1が、
「ぽにょ太、ママの方も向いてよ~!」
と顔を摺り寄せると、ワンテンポおいて、ぶっと唾を吐くマネをします……(苦笑)
それ以外は全て実話。
つっこみのタイミングを、きちんと心得ている5歳児。

拍手[2回]

ご無沙汰してます

ご無沙汰しすぎてます!!生きてます!!(いつもこの始まり方……)
船長誕生日おめでとう!!
サンジ、誕生日に日記書けなくてごめん!!


本当に、わたくし事で大変恐縮なんですが、忙しすぎてですね……。
そりゃあもちろん、日記を書く暇が全くないわけではない!!だがネタがない!!みーーたーーいーーなーー。
ここ数ヶ月、仕事してるかレポートしてるか子育てしてるかみたいな毎日でした。
自○党が消費税上げやがったせいで、増税前のかけこみで、いまだかつてない悲惨な繁忙期でした……。
胸から脇の下がつるので、これはヤバいかも、と思い、貴重な!!休みを費やして、乳腺外科へ検査へ行ったら、右手使い過ぎで筋肉縮こまってる状態でした……。でも、乳がん検診は受けないとね!いいきっかけでした。つーか所見ありで、家から1時間半かかる大学病院で再検査。行って良かったですよね。しかし!!貴重な!!休みが!!!
あ、ちなみに結果は、まあ半年後に様子みるくらいでいいでしょうということで大丈夫でした。
でもまた別の個所に、念の為調べようかというちっこいものがみつかり、また今月大学病院に行かなければならないという。貴重な!!!(以下略)
今も実は仕事中。やっとこんなことができるくらいの時間が取れるようになりました。


日常的なネタがないので、何回か書きかけたのが、子育てネタ。あ、皆さんご存知かと思いますが、私の子じゃないですよ、姉1の子のぽにょ太ですよ。
ぽにょ太が、早いもので、もう保育園の年長さんなのです!来年小学生ですよ!
その彼が、なんでかわかんないけどえらい叔母さん子になってしまいまして。
ちょいちょいうれしい事、照れくさいこと、笑えることを言ってくれるので、これ、変換したらいんじゃね?みたいな。私もたいがい叔母バカですが(笑)
というわけで書いてみました。あ、あくまで人物設定のみで、実際のノダ家と状況は違いますんで。ていうか姉ちゃんと私が恋人同士て、気持ち悪すぎる!!

設定:
姉 → ゾロ
私 → サンジ
ぽにょ太 → 子ゾロ(息子の名前もゾロ。←考えるのめんどくさい)


 ゾロの仕事は忙しい。朝は7時30分頃には出社、帰宅は早くて20時前、遅いと22時23時だ。おおよそ、シングルファザーとしてひとり息子の5歳児を育てられる勤務時間ではない。
そこで登場するのは、ゾロの高校の同級生であるサンジだ。
レストランのオーナーシェフである義父のゼフに代わり、小さい頃から家のことをほぼひとりで取り仕切ってきたサンジだから、はっきりいってそんじょそこらの女子なんて、足元に及ばないほど家事ができる。(それが原因でフラれたこともある)
 行きずりの1回ヤッた女性との間にうっかり子宝を授かってしまい、責任とってね、と乳飲み子を(言い方は悪いが)押し付けられ、若くしてシングルファザーになったゾロを、気の毒だとはミジンコほども思わないサンジだったか、おっぱいを求めてふにゃふにゃ泣いている赤ちゃんは不憫で可愛くて、子育て要員としてゾロのアパートの隣に越してきてしまった。
 幸いというか、サンジは養父であるゼフの店に勤めていたので、乳児を預かってくれる保育園への入園が決まるまで、ゾロが仕事の時には、厨房室の横の休憩室に赤ちゃん子ゾロを放り込み、サンジを始め、いかついコックたち全員で交互に面倒を見た。最初は渋い顔をしていたゼフも、そもそも自分も孤児であったサンジを引き取っているので、色々思うところがあるのか、何も言わなくなった。
 ゾロと一緒に、いやゾロ以上に、ミルクをやり、おむつを変え、寝かしつけ、絵本を読み、保育園の送り迎えをし、食事を作り食べさせ、散歩をし、を繰り返しているうちに、サンジはすっかり子ゾロに情が移ってしまった。可愛くて可愛くてしょうがない。口にしたことはないが、子育てに参加させてくれているゾロに、ちょろりと感謝すらしていた。(友人のウソップにその話をしたら「お人よしにもほどがある」とあきれられた)
 その上子ゾロに情が移っただけでなく、何がどうなったのか、うっかりゾロとイイ仲になってしまった。
 ……そして今現在に至る。

 珍しく20時前に帰ってきたゾロに夕飯を出してやって、サンジもテーブルの向かいの席に腰掛ける。サンジの晩酌用の缶ビールにゾロが手を伸ばしてきたので、ぴしゃりと叩き落してやった。
「後で自分の分を飲め!全く……」
 言いながらも、冷蔵庫から新しい缶ビールを出してゾロの前に出してやるあたり、相当アレだが、本人たちは気づいていない。
 子ゾロは、キッチンに隣接するリビングで、誕生日プレゼントにゾロからもらったレゴブロックで、真剣に何かを組み立てていた。
「しっかしゾロの同級生の子達は、みんな可愛いなあ。最近、みんなオレのことを、サンジ君サンジ君って呼んでくれるんだ」
「そうか」
「始めはな、ゾロ君のパパって呼ばれるから、違うよー、ゾロのパパのお友達だよーって説明してたんだけど、まだあのころはみんなちっちゃくて意味分かんねェみたいできょとんとしてたからさ、なんかこんなちっちゃい子達に、毎回毎回否定の言葉を言うのもどうかなって思って。はいはいって返事してたら、子ゾロが「パパじゃない、サンジだ!」ってみんなに言うようになってくれてさ」
 ニコニコしながら話すサンジの顔は、ちょっと母親っぽい、とゾロは思ったが、そんなこと言うと絶対怒るので、黙って味噌汁をすすった。ちなみにゾロは、子ゾロの同級生に、「ゾロ君のパパ、顔が怖い」と言われたことがある。
「みんながオレのこと見上げて、サンジ君サンジ君ってさー、ほんとみんな良い子だよ。こんなおじさんにさあ~」
と、サンジが言った途端、レゴに集中していた子ゾロがぱっと顔を上げた。
「サンジはおじさんじゃないぞ!」
 お?と大人二人の視線が集中しても子ゾロはひるむことなく、挑戦的に見返してきた。
「そっか、じゃあオレは、子ゾロにとってなんなんだろうなあ?」
 どういう返事か来るのか、変な緊張感を持ちながら、サンジは子ゾロに聞いてみた。余裕ぶってビールを飲みながら。
 子ゾロの、父親に似た、切れ長でありながら大きな目に力がこもった。


「サンジは“綺麗な人”だ」


 ブーーーーーーッ。

 思わずサンジはビールを吹き出した。ゾロも目を見張る。
 サンジはあわあわと、汚してしまったテーブルを拭きながら言った。
「おいおいおいゾロ、綺麗って、あー、そうかぁ~、いやーありがとう、けど、綺麗ってはレディーに対して言う言葉であってだなー」
 リビングから子ゾロが走ってきて、サンジの腰にしがみつく。その小さな頭を、戸惑いながら、くすぐったく思いながら、サンジは撫でた。
「おいチビ」
 声をかけられ、息子は、首だけ動かしてゾロを見た。
「じゃあ父ちゃんはどんな人だ」
 子ゾロは、ひと呼吸置いて答えた。


「キタナい人」


 壮大な親子ケンカが始まる中、サンジは、子ゾロの育て方間違えたかなー、とちょっと反省した。




会話部分、ほぼ実話です(笑)
実際は、私と母が台所でぽにょ太の保育園について話してて、私が自分のことを「(ぽにょ太の)おばさん」と言った瞬間に、リビングで遊んでいたぽにょ太が、
「和っちゃんはおばさんじゃないよ!」
と言い出して、
「えー、じゃあ何~?」
と聞いたら、真顔で、
「キレイな人」
と言うんですよ(笑)普段、「和っちゃんのこと可愛いって言って~!(←キモいな)」という育て方はしてないので、びっくりして顎外れそうになりました(笑)
そしたらそれを聞いていた姉1がすかさず、「ぽにょちゃん、ママは!?ママは!?」と聞いたわけですよ。
ぽにょ太は、ひと呼吸置いてから、
「キタナい人」
と言い放ち、「なんでよ!!」と怒った姉とケンカしてました(笑)トリオ漫才みたいですわ。


つーか、上記会話をゾロサン変換したかっただけなのに、またえらく長くなってしまった。相変わらず悪い癖です。


話がころっと変わるけど、最新刊、当然皆様ご覧になりましたよね!?
P162のSBS、私、かなりツボなんですが。私の中ではゾロサン大爆発なんですが!!
ゴッドの回答が、まんまゾロの心境なんだな、と思います。「呼んだことなかったっけか?へー」みたいな!
ゴッド自身が、ゾロが「サンジ」と呼ぶことは想像できないとおっしゃってるので、最後まで、サンジはゾロに名前で呼ばれることはないんでしょうね……。可愛そうに。
でも大丈夫!!ゾロの心の中と裏の世界(←オイ)では山ほど呼ばれてるから!!
大体何でサンジのイラスト、頬を赤らめてる絵が使われてるの。おいなあ、狙ってんだろ!???


久しぶりの日記が、全体的に気持ち悪くてすみません(笑)


1月1日、5日、18日、27日、2月7日、12日、14日、22日、3月4日、16日、4月3日、8日、25日に拍手して下さった皆様ありがとうございました!!


拍手[2回]

・・・拍手お礼vv

船長誕・出遅れました。

倉庫一掃大セール!残りの生鮮食材全て使って豪華夕食!と宣言すれば、船番なんてヤダヤダヤダヤダとゴネていた船長を確保するのは簡単だった。
新世界の新たな島に到着して3日目になっていた。
見事船番のくじを引き当てた船長と、久しぶりの陸で食物庫の整理をしたいサンジ、そしてなんで残っているかわからない剣士の、男3人で大量に作った飯をむさ苦しく食い尽くした。
「はーっ、食った食った!」
風船の様に膨らんだ腹を満足そうになで、船長はにっかりとサンジに笑いかけた。ルフィと同じく、食べるだけ食べて腹がくちくなった剣豪は、ルフィの向かいでがぶがぶ酒を呑んでいる。
「この2年で腕上げたなあサンジ!前からサンジの飯は美味かったけど、もっと美味くなってる!」
「……まあな、地獄の様な日々だったからな」
咥えタバコで皿を洗っていたサンジの目が、途端に剣呑なものになる。
「毎日毎日24時間、一瞬の気を抜く暇もなかった。ヤるかヤられるか、オレァそんな、まさしく生地獄を味わいながら、料理の腕を磨いてたんだ……!」
「へー、なんかよくわかんねェけど大変そうだな」
全然興味なさそうに言って、ルフィはゾロに、
「なあゾロ、サンジの飯、ほんっとに美味くなったよな!お前もこの2年、サンジの飯が食いたくてしょうがなかったんじゃねェの?」
と話しを振った。暫しの沈黙の後、ゾロは少しだけ眉を上げて、
「や、そんなには」
と、答えた。瞬間サンジのこめかみにびしりと血管が浮く。
「ほーお、そうですか。それはそれは。どうせあれだろ、あのキューティーちゃんに美味し~い飯でも作ってもらってたんだろ」
「いや、あの女は料理なんて全くでき」
「いいよなあてめェもルフィもよ!なんだかんだ可愛いレディーにかこまれてよ!オレがどんな思いで……」
ゾロの言葉を遮ってサンジがぶつぶつと怨み節オーラを放ち始め、再会してから何度も同じ話を聞かされているゾロは、面倒くさくなる満々の予感に顔を顰めた。船長がのほほんとゾロに問う。
「なんだ、ゾロ、お前、飯とかサンジのこととか思い出さなかったんか?オレのことは?」
「それどころじゃねェよ、鷹の目相手にしてたんだぞ」
「キューティーちゃんといちゃいちゃしたりな」
「なんでてめェはそういう……!」
「オレはいつも考えてた。早くみんなに会いてェって」
 船長らしからぬ言葉に、ケンカに発展しそうになっていたゾロとサンジははたと動きを止め、ルフィの顔をまじまじと見た。
「強くなったらみんなに会える、強くなったらみんなに会えるって、そればっか考えてた」
「……」
「そしたら強くなった!ししし!」 
――兄の死を乗り越える為に、ルフィがどれ程葛藤を繰り返したのか、どんな思いだったのか、心の底から理解することは誰にもできない。
せめてその時に傍に居てやれたなら。
サンジには、そんな苦い後悔のような感情が、やはりあった。
それでも、一番辛い時に自分達に会いたいと思っていてくれた。
(クソ、オレだって会いたかったぜ、船長)
こっそり心の中でそう呟いたサンジは、
「でも、一番思い出したのは、やっぱサンジのことだなあ」
というルフィの言葉に、
「へ?」
と間抜けな声をあげてしまった。
ゾロも、「あ?」と眉を寄せ、だらけ切った体勢をはっと立て直す。
「だって、修行してたら腹が減るもんよ。したら、メシ食いたくなるだろ?そうすっと自動的にサンジの顔が浮かぶんだ。ああ、サンジの飯が食いてェなあって」
「……そりゃどうも」
「そしたらもうサンジに会いたい会いたい会いたいーーーってなってよ」
「……」
「最低でも1日5回は思い出してた!」
「……1日5食かよ」
「会いたかったぞ、サンジ」
「て……っめェなあ!」
とうとう聞いていられなくなって、サンジはルフィの顔に、握っていた食器洗い用スポンジを投げつけた。
「男相手に口説くようなこと言ってどうすんだ!てめェ本当に修行してたんだろうな!?女ヶ島のレディー相手に口説きの修行とかじゃねェだろうな!?」
「ししし、顔が赤いぞサンジ」
「ア、っホか!」
ぐっと怒った顔をルフィに見せ、サンジは勢いよく水を出しで手を洗うと、
「あーバカバカし。オレ先にシャワー浴びてくるわ。皿は置いとけよ、あとで片づけるから」
そう言い残し、外したエプロンを投げつけるようにゾロに渡して、ラウンジを出て行った。
残されたのはルフィとゾロ。
「……てめェどういうつもりだ」
鬼でもぶった切るつもりなんじゃないだろうかという殺気を滲ませてゾロがルフィを睨みつける。が、当然船長は全く動じない。
「だーって本当だもんよ、メシ食う度にサンジの顔が浮かんで、そんでみんなに会いたくなって大変だった!」
「へっ」
面白くなさそうに鼻から息を吐き出すと、ゾロはぐびぐびとビンから直接酒をあおった。
ルフィはルフィで、デザートの三色ゼリーのてっぺんを、スプーンも使わずにかぶりついた。口の周りがベタベタだ。
「お前こそ、なんであんなウソつくんだ?今日はエイプリルフールじゃねェぞ」
ゼリーを飛ばしながら喋るので、ゾロが嫌そうに顔をしかめる。
「なんだウソって」
「サンジのこと、ほんとは思い出してただろ?」
どん、と音を立ててテーブルに酒瓶を置き、ゾロは鼻を鳴らした。
「別に、そんなの言う必要ねェだろうが」
「バッカだなあゾロは」
ルフィの癖に、本当に呆れたように言うのにゾロはイラついた。そのままシカトでもしようかと思ったのに。
「“毒でもカミソリでも消化してやる"……って、それで伝えたつもりか?サンジは絶対ェ意味わかってねエぞ」
言われて、どきりとした。魚人島でのやり取り、聞いていたのか、こいつは。
「サンジはちゃんと言ってやんねェとわかんねェんだぞ。2年前も、今も」
今度はルフィはきちんとスプーンを手に取り、丁寧にゼリーを掬った。本体から離されてしまったゼリーがぷるんと揺れる。
「言っとかないと、死んでからじゃ遅ェぞ」
……机の上に置いておいた酒瓶を再び手にし、ゾロはグビリと音を立てて中身を飲んだ。
「……ま、いーけどな、オレはそれでも」
黙ってしまったゾロの顔を覗き込んで、船長はニッと笑った。
「オレが言うからさ、サンジに」
何度でも。


瞬間、がたんと椅子を倒してゾロが立ちあがる。
「どうしたゾロ」
「……風呂」
それだけ言ってラウンジを後にしようとする。
「あーっ、サンジが入ってるのにズリィ!じゃあオレもオレも!ゼリーでベタベタになっちまった!」
ルフィがそんなことを言いだすので、慌ててゾロは走り出した。
「うっせ!絶対ェ来るなバカ!!」
「待てってゾロー!!」


3分後、サニー号の風呂に素っ裸の船長と剣士が乱入し、コックの怒声が響き渡ることとなる。


おわり



他ゾロサンサイト様だと、2年後のゾロはやけにさらりとサンジを口説いたりしてるのをよく見かけますが、原作の、サンジに対して憎まれ口連発のゾロ(サンジもだけど)を見て、人間、やっぱそんなに簡単に変わらねェな、と思って書いてみました。
小ネタとはいえ、新しく書いたゾロサン文載せるの久しぶりだ!!ゾロサンていうかルゾロサンですね。
船長の素直さを見習えーゾロー!


うう、5日に間に合わなかった。船長誕生日おめでとう!
更新履歴は明日の日記にて!
やっと声が元に戻り……きれてないけど戻りました!まだちょっと喉から色々出る。←汚いな。
姉1も風邪ひきさん。天候もおかしいですし、皆様もご自愛下さい。


5日・6日・8日に拍手して下さった方ありがとうございました!!

拍手[5回]

メンテナンスでした。 と ラストバトン

12日0時~21時までニンジャブログがメンテナンスで読む事も書く事もできませんでした。
もしいらしてくださった方がおられましたら申し訳ありません!


2ヶ月ぶりの大阪でしたが、GWの暑さはどこへやら、寒くてびっくりですよ……!!
今日も寒くて、気圧の関係で相変わらず体調悪く、しかし気合でジョギングしてきました!今現在体を鍛えることにハマってます。


メールのお返事させて頂きましたvv
今からバトン小ネタを書ききりたいと思います!
拍手のお返事も後ほど~!!



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ただいまです!
えー、約1ヶ月半かかったバトンの回答ですが、とうとう最終回ですどんどんどん!!



●何を思ったか自主制作に入る[サンジ]

 

「おいコック、酒……」
 深夜のラウンジの扉を開き、ダメ亭主の見本のようなセリフを吐きかけたゾロは、中の状況を目にした途端、戸惑いもあらわに立ち竦んだ。
「何やってんだ?お前……」
 テーブルに積まれた紙、紙、紙。
 その紙を、手袋をはめたサンジが、1枚1枚丁寧に、しかし凄い早さで折っている。
「おークソ剣士!良いところに来た!手伝え!」
 手招きする手の動きまでも早い。ゾロはしぶしぶ近寄って行った。
「一体何おっ始めやがった……」
「いやそれがよ、ナミさんとロビンちゃんが次の島で、今までオレ達が航海してきた日々を本にして出版するらしいんだ!」
 ゾロには目もくれず、紙を手早く折り続けながらのサンジの言葉に、ゾロは溜息を吐いた。
「また変な商売考えやがったな……」
「ナミさんの商才は卓越してらっしゃるからな!」
 わざわざ顔を上げ、ぱあっと笑ったサンジは本当にアホだとゾロは思う。
「しかもだ!!なんと光栄にもオレを主人公にしてくださると言うのだ!!どうだすげェだろ!!」
 サンジはとても嬉しそうだが、ゾロはぎょっとした。
「でな、買ってくれる人におまけをつけたいっておっしゃるから、オレの秘蔵のレシピをちっちゃい本にしてる所さ~vv500冊作るんだぞ!!」
 言いながらサンジは、今度は折った紙を何枚も重ねていく。だがゾロはもう聞いてなかった。嫌な汗が流れる。 
「……それってちゃんとしたとこが出してくれる本なのか?」
「ちゃんとしたとこって?」
「出版社とか……」
「さあ?よくわかんねェけど、ナミさんは印刷所で刷って貰ったって言ってたかな?なんか流行ってんだってそういうの!次の島では本の市がたつらしくて、自費出版ていうのか?レディ達が自分で作った本を売ったり買ったりしに集まるらしいぜ!」
「おい、それは……」
 言いかけて、ゾロはごくりと言葉を飲み込んだ。思い当たる節が物凄く、ある。
「レディ向けに、お菓子のレシピを3つ載せてみたんだけどよ~vvどうどう?この表紙、可愛くね?最後はピンクのリボンで閉じるんだ~vv」
 いやー、本作るのって意外と楽しいなあ~! 
 サンジはうきうきとゾロの手のひらサイズのミニ本を作っているが、ゾロの頭には、数週間前の出来事が走馬灯の様に流れていた。



「ネタは上がってんのよ」
 甲板でうとうとと昼寝をするゾロの腹をピンヒールで踏んづけたのはナミ、「お昼寝中ごめんなさいね」とにこやかに謝ったのはロビンだった。
「急に何しやがるこの……!!」
「あんた、サンジ君とデキてるわね」
 いきなりズバリと言われて、ゾロは起き上がる事も忘れて絶句した。
「サンジ君のたっての希望で仲間である私達に隠してるのよね」
 その通りだった。自分達の関係がナミさん達にバレたら、てめェを殺してオレも死ぬ、と言われていた。
 寝転がったゾロの前に仁王立ちしたナミが、アーモンド型の目を細めて顔を近づけてくる。
「私達にバレてるってサンジ君が知ったら、船の上でエッチ、なんてもう絶対させて貰えないわよね」
 だらだらと冷や汗が流れる。何度も言うが、エッチさせて貰えないっていうか、てめェを殺してオレも死ぬ、と言われている。
 ナミの口が三日月形ににいっと吊り上がった。正しく魔女。
「私達にバレてるってサンジ君にバラされたくないなら、話しなさい。あんた達のこと、何から何まで全部――」



 それからゾロは、咲かせたロビンの手によって女部屋へ連行され、サンジとの馴れ初め、どんな風にサンジを好きか、夜の「性」活のことなど、洗いざらい吐かされた。
 始め「誰がんな話しするか!」と抵抗したゾロだったが、羽ペンを手にしたナミに、
「あら、タダとは言わないわ。これはビジネスよ。ちゃんと話してくれたらあんたの借金、いくらかチャラにしてあげる。その代わり、話してくれないなら借金3倍ね。サンジ君にもバラしちゃおーっと」
と、少女のように無邪気に言われ、あっさり陥落してしまった。 
 元々喋ることなど得意でないゾロの拙い言葉を、ナミとロビンはメモを取りながらふんふんと熱心に聴き、時折二人で「ゾロはサンジ君のそういう所にメロちゃったわけよ。単純ね」「でも、そういうエピソードは婦女子は好きよ。もっと盛り込んだ方が良いわね」「エッチの時ってサンジ君ってばそうなんの!?やっぱリアルに聞くと違うわー」等と、わけのわからない分析を行っていた。


 
「おい?どしたゾロ?」
 記憶の海を漂ってそのまま消えそうになっていたゾロは、サンジの声にはっと我に返った。心配そうにゾロを覗き込むサンジの顔がとてつもなく可愛い。いや、そうじゃなくて。
「お前……、そのナミとロビンの本、読んでないのか?」
「いや?まだ読んでねェ。なんでも、ナミさん達が作った本はその本の市に直接運ばれてるらしいぜえ。オレもついてって、買ってくれたレディに直接このおまけ本渡すつもりなんだー!」
「あの、あのなコック……」
「お前も早く手伝えって!紙は指が切れるから、愛しいオレの大事な手が傷ついたらてめェも辛いだろ?」
 にゃあん?
 そんな風に上目遣いで見られ、ゾロのボルテージは一気に上がった。
「オレに任せろーーーー!!」
「よし!!作業は繊細且つ大胆にな!!」



 愛するサンジのために凄い勢いで作業をこなす。集中することで段々冷静になってきたゾロは、
「よく考えたら、いくらナミが守銭奴といえど、あんな話を本にしたりするわけねェか。万が一してたとしても、オレとコックがデキてるとかって話を誰が読みたいっつーんだ。そうだよな。はっはっは、あービックリした」
と安心し始め、この紙折り作業をさっさと終わらせて、酒とサンジを頂くぜいえーい!!と思った。


 

 数時間後、製本作業って甘くないのね、とゾロは知る。(指に唾つけて紙めくるな!とサンジに蹴られるし)




 そしてまた数日後、ゾロは、ロビンの呟いた「婦女子」という言葉が、実は「腐女子」であったと言う事を知る。




これでラストです!!長いことお付き合いありがとうございましたああああ!!!(平伏)
長くなりすぎたのでバトンはここでストップ!回してくださったひらさんありがとうございました!!長くかかってすみません……!!
そして、最後の話がこんなんですみません……。いや、製本って結構大変なのよ!!←聞いてない
「繊細且つ大胆に」は勿論ア○ック25の児玉さんのお言葉です。「ア○ックチャーーンス!!(手の震え)」
さあ、すたーだすと終わらせるぞおおおお。それから、小ネタでほとんど書けなかったルフィとうそぷーを書きたい。サン誕やってゾロサン前提ルサン祭りを開きたい。やりたいことはいっぱいだー。


11日に拍手して下さった方ありがとうございましたー!!

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・・・拍手お礼vv

やっと大人の時間 と バトン

こんばんにゃ!和です。
昨日の日記、後で再びって書いたのに今になってすみません!
いや、あの後夜中に姉2一家が到着しまして、それから小ネタを完成させようと思ったのですがあまりの眠さに寝落ち、ところが、朝早い姉2家族は朝の6時から行動を始め、朝弱い私と姉1はひいいい勘弁して!と思いつつ、みんなでお昼を食べに行ったりしてきました。
家に居る時に書き上げちゃおうと思ったんですが、姪と甥たちは私がパソコンの前にいると飛んできて、「何やってんのー!?」って傍を離れないですよ……。そしてインターネットでできるゲームを始め、パソコンを奪われました……。誰だよ子どもにインターネット教えたヤツ!!←おかしな怒り
22時ちょっと前に子ども達が寝まして、やっと落ち着いてパソコンが触れる!!


これは、世の隠れゾロサンスキーなお母様は大変だ~~と実感しました……。
サンジ、って打った瞬間甥っ子がどーんって部屋に入ってきた時、心臓がドキーー!!ってなりました(倒)


というわけで遅くなりましたがバトン回答!



●回転ドアに入るタイミングがつかめない[サンジ]



●猫を「ニャンコ」、犬を「ワンコ」と呼ぶ~の二人の続きです。


 大学生のゾロとコック見習いのサンジの休みが重なる事は珍しい。その貴重な休日に、新しく出来た複合施設に行ってみたいと言い出したのはサンジの方だった。ゾロは正直人込みは嫌いだし買い物にも興味はないし、家でゴロゴロしていたかったのだが、新しい物好きなサンジが目をキラキラさせながら「行こうぜ行こうぜ!」とせがんでくると、重い腰を上げないわけにはいかなかった。
 地下鉄を乗り継いで地上へ出ると、目と鼻の先に巨大なビルが見えた。あの高層ビルを中心に、色んな施設が展開されているらしい。
 カップルや若い女のグループがきゃらきゃらと声を上げながら次々にそのビルに向かって歩いて行くことに気づいたゾロは、自分達も同じところへ行くのかと少々うんざりした。隣を歩くサンジは「おっ、あの女のコ可愛い!」とはしゃぎまくっている。
 超巨大なそのビルは、すぐ目の前にあると思えるのに歩くと結構距離がある。15分ほど歩いて、屋外にあるエスカレーターを上がる。
 そこにはちょっとした広場になっており、休日だけあってたくさんの人が行き交っていた。メインのどでかいビルに近づいて行くと、回転ドアが設えてある立派なエントランスが見えてきた。
 吸い込まれるようにに入って行く人々について、ゾロも回転扉を通った。
 が、後から着いて来ているものと思っていたサンジが居ない。
 ああ?と思ってきょろきょろと辺りを見回せば、サンジがビルの中に入らずまだ外にいるのがガラス越しに見えた。慌てて再び回転扉を通って外に出ると、突っ立ったままのサンジに駆け寄り「何で入らねェ」と声をかけた。
 サンジは軽く眉間に皺を寄せて、
「……なんで扉が回るんだ」
「はあ?回転扉知らねェのか?」
 アホだアホだとは思ってたがこれ程とは、と呟くと、サンジはくわっと目を剥いた。
「知ってるよ!!“かいてんとびらのむこう~♪”ってち○みちゃんが歌ってるじゃねェか!」
「はあ?誰だよ」
「80年代のアイドル堀ち○みちゃんだ!スチュ○ーデス物語に出てただろ!!」
 ……サンジは、彼の養父が経営しているレストランで働いているコック(おっさん達)に育てられたようなものなので、時々ゾロにはわからない時代の話をしてくる。80年代のアイドルが好きなのは確かカルネだ。ゾロにもたまにセイコちゃんがどうのアキナちゃんがどうのと話しかけてくる。
「いいから行くぞ」
 ち○みちゃんの話しは流してとっととビルに入ってしまおうと思ったのだが、「待て待て待て!」とサンジはゾロの腕を引っ張った。
「何だよ!」
「お前、オレの後から来い。オレが先に入るから」
「ああ!?」
 理不尽な物言いにじゃあさっさと入れよ!!と憤慨しかけたゾロをさっくり無視し、サンジはさっさと回転扉近くまで歩いていってしまった。理不尽すぎる。
 左足を少し前に出してマラソンなんかで走り始める時の体勢をとるサンジを不思議に思ったゾロは尋ねてみた。
「……何やってんだお前」
「や、なんかタイミングが掴めなくて。なあ、あのドア回るの早過ぎねェか?」
「……いや、フツウ」
「とにかく待て、クソ、こういうの苦手なんだよ……。良いからてめェ先に行ってろよ!」
「お前が後から来いつったんだろうが!」
「ああダメだ!ひとりで先に行かせると迷子になる!」
「なるか!」
「てめェうるせェ!黙ってろ!」
 片脚を半歩出し上半身を揺らしてタイミングを計るサンジの横顔があまりにも真剣で、ふざけんなとくってかかろうごしたゾロは、寸での所で言葉を飲み込んだ。
 思い出してしまった。


 サンジは幼い頃、ゾロの家の隣でレストランを営んでいるゼフの養子としてやってきた。背がゾロより低く、ひどく痩せて目ばかりとても大きい子どもだった。そしてその大きな青い目は、絶えずどこか一点だけを見つめていた。
 同い年だったこともあって、ゾロは母親からサンジと遊ぶようにと言われ、いつも子ども達が遊んでいる公園へ連れて行った。連れて行ったと言っても、出会ったばかりの子ども同士、お互い話もせず、サンジは先に歩くゾロの後を俯いてのそのそとついて来るだけだったが。(お陰で5分でつくはずの公園に30分かかった)
 公園では、近所の子ども達が集まってわいわいきゃあきゃあと騒いでいた。
 4~5人で大縄跳びをしていたゾロの同級生の女の子が、ぼんやりと公園の入り口に立つ二人に気づき、一緒にやろうと誘ってくれた。
“おい、入れてくれるって”
 声をかけてみたが、サンジは固まったように微動だにしない。仕方がないので、ゾロが先にひゅんひゅんと音をたててしなる縄の中に入り何度か飛んだ見せた。そしてサンジの所へ戻ると、
“お前もやれよ”
 言ってみるも、やはりサンジは軽く俯いて動こうとしない。
 ゾロもどうして良いかわからなくなり、始めと同じようにサンジと並んで、同級生たちが大縄を次々と飛んで行くのをぼんやり突っ立って見ていた。暫くして、サンジがぼそりと呟いた。想像していた以上に高い声だった。
“やったことねェから……。どうやったらいいのかわからねェ”
 ゾロはとても驚いた。ゾロの常識では、子どもなら大縄跳びは誰しも一度はやったことのあるポピュラーな遊びだった。
 なんで大縄跳びをしたことがないんだろう。
 そう思ったが口に出す事はできず、この痩せっぽちのチビが、動こうとせずに、くるくる回る縄をただ無表情に見つめていることがとても気に入らなかった。
 暫く考え、ゾロはおもむろにサンジの手を掴んだ。
“なんだよ!?”
 焦るサンジをぐいぐい引っ張って縄を飛ぶ順番に加わる。
 ゾロ達が飛ぶ番が来る。戸惑った表情のサンジがゾロを見ていたが、ゾロは縄の動きに集中した。タイミングを計って“今だ!”と叫んでサンジを引っ張る。
 大縄の中に引っ張り込まれたサンジの足に、大きく回ってきた縄は引っかかった。
 呆然とするサンジに、
“そこで飛ぶんだ。そんだけ”
 そう言って、ゾロは再びサンジの手を掴んでまた大縄の順番に加わる。サンジは黙ってついてきた。
“他のヤツらの動きも見てろよ”
 そう言うと、サンジはこくりと頷いた。
 大縄を飛ぶ子ども達の動きを見つめるサンジの目が、段々真剣になってくる。彼の浅い呼吸音が聞こえてきそうだった。人間に気付かれないようにそろそろ逃げ出そうとしている猫に似ているとゾロは思った。
 再び手を繋ぎ、二人は大縄の中に飛び込んだ。
 今度は、サンジはゾロと一緒に軽々と縄を飛び越えて見せた。
 

 大縄跳びのことがあってから、ゾロは数多くの「サンジの人生初の出来事」を一緒に経験した。「初めて」が増えていく度、サンジの表情がどんどん変わっていった。
 そしてゾロは、サンジが笑ったり怒ったりするのが嬉しくてしょうがなかった。
 初めて会った時の、壊れた人形の様な顔など、二度と見たくなかった。


 回転扉に入るタイミングを狙っているサンジの顔は、集中しているせいか表情がない。ゾロはこのサンジの顔が好きじゃない。
 がしっとサンジの腰に腕を回し、ゾロは自分の体にサンジの体を引き寄せた。
「ひ!?」
 サンジが奇怪な声を上げたが無視した。
 そして二人三脚のように体を寄せ合ってずかずかと回転扉に向い、そのまま狭いガラスで仕切られた空間に二人で入って、回る扉を通ってしまった。
 後から来る人の邪魔にならないようにロビーの端に寄ると、ゾロはやっとサンジの体を離した。口をぱかっと開けて今起きた事を反芻してるらしいサンジに、
「……回転扉なんてこんなもんだ」
 そう言った。
 どうせ赤くなって「余計なことすんな!」とか「人前で!」とかギャーギャー怒るだろう、とサンジから飛んでくるであろう蹴りに備えこっそり構えをとったが、サンジはゆっくりと瞬きをし、「お前って……、ほんと、昔っから……」とかなんとかブツブツ呟くと、ふにょんと恥ずかしそうに笑った。
 その顔がツボにはまったゾロの方が真っ赤になり、「なんで赤くなる!ヤらしいぞてめェ!」と結局サンジに蹴りをいれられる。
 





*回転扉の定員数が1人となっている場合は、当たり前ですが2人で入っちゃダメですよね!!





ええと、またもやお若いレディが分からない、しかも無駄に長い歌ネタが入っててすみません。おばちゃんなんですみません(笑)「回転扉」って聞くとつい歌っちゃうんですよあの歌!私もフレーズだけ覚えてて誰の歌か分からずに検索かけちゃった。
本当はもっとアホ小ネタにしようと思ったのですが、やはり回転扉で思い出すのは六本木ヒ○ズ森ビルの事故。
実は私、あの事故の起こる数ヶ月前にヒ○ズに遊びに行きまして、件の回転扉を通ったんですよ。
大人の私でも、「この扉回転速いなあ!(汗)」と思ったのです。でもまさか、あんな事故が起こるとは……。
なので、あまりふざけた感じの話は書けませんでした。
このサンジはわけあって「回る」物が苦手、という裏設定があります。
さあバトンもあと一個!ネタが思いついてないけど頑張ります~。


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じゃんぴ感想も書きたい と バトン

●猫を「ニャンコ」、犬を「ワンコ」と呼ぶ[サンジ]


(●横断歩道の白いとこだけ~の二人のその後です)



 幼馴染の二人が暮らすボロアパートに、サンジの実家からたけのこが送られて来たのは昨日。仕事が早番だったサンジが腕を揮い、今日はたけのこづくしの豪華な夕飯だ。
 美味い美味いとがっつくゾロを少し笑って、サンジはテレビに視線をやった。ペットの健康がどうこうというペットフードのCMが流れている。
 そう言えば、と何かを思い出したらしいサンジが口を開いた。
「この前電話でチョッパーから聞いたんだけどよ」
 チョッパーとは、地元で動物病院を開いている、ゾロとサンジ共通の友人だ。
「最近は飼い犬のことを“ワンちゃん”って呼ばないとダメとか言うヤツが増えてんだってさ」
「へえ」
「家族なのに“犬”呼ばわりなんて許せないらしいぜ?自分は好きに呼べばいいけど人にまで強制すんなっつーのなあ?餌のことも“餌”って言うと怒り狂うらしい。“ご飯”なんだってさ。可愛いのは分かるけど、犬は犬でしかないよなあ」
 オレなんて、てめェを餌付けしてるとか思ってるしな!ガハハハ!と笑い飛ばすサンジに、絶品たけのこご飯を口に運びながらゾロは「ああ」と曖昧に返事した。
 だってゾロは知っている。 


 
 夕飯後、そのままダラダラとテレビを観ていると、タバコを箱から取り出そうとしたサンジが「あ」と気の抜けた声をあげた。
「しまったタバコ切れた。オレコンビニ行ってくるわ」
「オレも行く」
 サンジはかかとの潰れたスニーカーを、ゾロは健康サンダルを引っ掛け、連れだって狭いアパートを出る。
 コンビニまで徒歩10分。街灯のともる夜道をぷらぷらと歩いて行くと、一軒の家の低い塀から、白い犬がひょいと顔を覗かせた。ゾロとサンジの顔を覚えているらしく吼えたりせずに黒い瞳で見つめてくる。
「お。佐々木さんちのわんこは今日も精悍だなー。かっけーわんこだよなー。お前より賢そう」
「うるせェ」
 “佐々木さん”と親しげに呼んでいるが、知り合いなわけではない。表札が“佐々木”となっているだけだ。
 佐々木さんちの犬に、サンジは「ばいばーい」と手を振った。
「そういや、この前よぼよぼのじいさんがよぼよぼのわんこ連れててよ、それがすげェ微笑ましいんだ。微笑ましいのになんか泣きそうになった」
「そうか」
 ……サンジ自身は気づいてないのかもしれないが、彼はかなりの犬好きだ。いったん犬を見かけると、暫く犬の話をしている。
「帰りによくすれ違うすらっとしたレディvvの連れてるわんこはすげェ美人なんだ!やっぱ飼い主に似るんだな~」
 うんうんと一人頷くサンジ。次の瞬間、「あ!」と目を輝かせた。
 どこからか現れた三毛猫が、3メートル程先で優雅に道を横切って歩いていたが、サンジの叫び声に立ち止まり、窺う様にこちらを見る。
「にゃんこ~!にゃんにゃん~。こっちおいで~」
 サンジは猫を脅かさないように中腰で近づくと、ヤンキー座りになって猫に手を差し出した。
「オイ、ゾロ、なんか食うもん持ってないか」
「持ってるわけねェだろ」
「にゃんこちゃーんvvおいでおいで、触らせてくれ~vvスレンダーなにゃんこちゃ~んvv」
 ……因みに、サンジ自身は気づいてないのかもしれないが、彼はかなりの猫好きでもある。道端で猫をみかけると、必ずこうして構っている。というか構ってもらいたがっている。
「あー!行っちまった……。つれないなあ~!でもにゃんこはそこがいいんだよなあ~vv」


 ……サンジは知らない。いつも実際に犬と猫を目の当たりにすると、自分が「わんこ」「にゃんこ」と口走っている事を。


 そしてサンジは知らない。毎度毎度小さく蹲って猫を呼び寄せようとするサンジの丸い後姿を黙って見ているゾロが、「このまま背中にのし掛かって後ろから挿れてやりてェ」と考えていることを。




チョッパーから聞いた事になってますが、実際には、オリジナルBLサイトでご一緒させて頂いている楽さんが、ミクシィの日記に書かれていた話しが印象的だったので使わせて頂きました。無断ですいません……。ってこんなとこで謝ってもご覧になってないと思いますが……。重ね重ねすいません……。
猫を目の当たりにすると別人になるのは私です。
赤ちゃんや小さい子に対して赤ちゃん言葉を使う事はないのに、猫に対しては、「にゃんちゃ~んvvおいでおいで~vv」と何かがのりうつります。猫が大好きなんだ……。メロメロになるんだ……。犬も好き。
2回連続ちょっと下ネタな小ネタでした。
そろそろバトン小ネタが終盤なんですが、気に入って下さったネタがありましたら、拍手でこっそり教えて頂けると嬉しいです……!!


拍手して下さった方ありがとうございましたー!!

拍手[0回]

・・・拍手お礼vv

日記が空きすぎた… と バトン

すすすいません。生きてます生きてます。
まさかこんなに日記があいてしまうとは。フナムシ以下のオレですいませんすいません!!
なんかいろんな事が裏目に出たー(涙)
バトンの続きいってみます。


●口癖が「ぶっちゃけ」の[サンジ]


 サンジ君特製ブレンドのハーブティーはとっても良い香りでとっても美味しい。
 なのに、なんでこんなにイライラしながらお茶しなきゃいけないんだろう。
 先程からあからさまに所謂「白い目」を向けているのだが、ケーキを切り分けている本人はちっとも気づきやしない。  
「ぶっちゃけ、あいつには味なんてわからねェんだよ」
 言いながらナミの前に、艶やかに焼き上がったオレンジタルトの皿を置く。
「いや、別にいいんだけどね、ゾロのヤツが美味いとか不味いとかどう思ってるかなんて。ぶっちゃけオレはあいつが同じ船に乗るクルーだからメシ出してるだけだし」
「あらそう」
「そうさあ!」
 ケーキサーバーを握ったままサンジは勢い良く振り向いた。 
「ナミさんやロビンちゃんが“美味しいわサンジ君”って言ってくれるのが何よりも嬉しいって言うか、ぶっちゃけオレにとってのご褒美!?みたいな!?」
 でれでれーっと鼻の下を伸ばし体をくねらせ、「紅茶のお代わりはどうだい?ナミさ~んvv」とナミの顔を覗き込む我が船のコックさんは、自分がさっきからゾロの話しかしてないことに気づいてないのだろうか。
「まだいいわ」
 勧められたお茶をあっさり断って、ナミは話を戻した。
「それでもサンジ君は結局言って欲しいんでしょ?ゾロに。“美味かった”、とか」
 ちらりと横目で見てやると、サンジの笑顔が引き攣る。
「な、まさか!!そんなわけねェよ!ぶっちゃけどうでもいいし!」
「じゃあなんでムキになってゾロの好きなもの作るの。知ってるのよ、ゾロが見張りの時に色々作ってんの」
 ズバリ指摘され、ざあああっとサンジの顔が赤くなった。
「なんでナミさん、イヤ、違、あれはぶっちゃけコックとしての修行みたいなもんで……!!」
「ふーん」
「ほんとだって!!あいつの為にとかそんなんじゃねェよ!!ぶっちゃけオレあいつに嫌われてるし!!なんでオレのこと嫌いなヤツなんかの為にそんな!!」
「あら、嫌いだって言われたの?」
 半目で言われたナミの言葉に、サンジは目に見えてしおしおと萎れた。へへっと小さく笑う。
「だって、そんなの分かるよ。オレが起こしに行くとすげェ嫌そうな顔するし、ルフィ達と喋ったりしてっとすげェ目で睨んで来るし。……ゾロはきっと、オレのことなんて、ぶっちゃけ仲間とも思ってな」
 バン!!!
「ああー!!もうめんどくさいわね!!」
 ナミは手のひらで机を叩いて立ち上がった。サンジの体も驚きに飛び上がる。
「ナ、ナミさ……?」
 ゴゴゴゴゴと効果音つきのオーラを放ちながら、ナミはぎんとサンジを睨みつけた。
「ぶっちゃけサンジ君はゾロが好きなんでしょ!?だからあいつとセックスしてるわけでしょ!?」
「…………え!!!?」
 サンジの髪がぶわっと逆立つ。 
「だーかーらーセックスしてんでしょって言ってんの!!女好きのサンジ君が挿れられる側までやっちゃうくらいゾロの事が好きなくせに今更ゾロなんて関係ないなんてガタガタ言うんじゃないわよ!!ぶっちゃけウザいのよ!!」
 ナミの、次から次へと撃たれる弾丸の様な言葉に、サンジの顔が真っ赤になり、そしてみるみる青くなる。
「ナナナナナミさ、な、なん、なななんでししし」
「なんで知ってるって!?あんた達、お互いがどんな目でどんな風にお互いを見てるか気づいてないの!?ぶっちゃけそこら辺の小学生だって気づくわよ!!大体、気づかれたくないのなら色んなとこでセックスすんのやめなさいよ!!見張り台とかお風呂とか、そんなとこでヤられちゃったら聞きたくない声だって聞こえるのよ!!ぶっちゃけ迷惑なのよ!!ゾロなんて、普段呼ばないくせに、熱ゥ~~い声でサンジ君の名前呼んじゃってさ!あーキモい!!」
「そ!!なま!?こえ!?……ッッッ!!」
「あーうるさい!!だからあんた達が色んな場所でセックスするからぶっちゃけ聞きたくないけど聞こえてくるっつってんでしょ!!嫁入り前の娘にセックスセックス言わせるんじゃないわよ!!大体、答えなんてしっかり目を開けばもう見えてんのに、いつまでもウジウジウジウジ……バッカじゃないの!?ぶっちゃけこっちもヤキモキしてんのよ!!いーいサンジ君!!」
「ハイ!!」
「ぶっちゃけて言うけど、あんたがゾロの事好きなのはバレバレなんだから、もう良い加減素直になって告白でも誘惑でもなんでもしてさっさと手にいれちゃいなさい!!海賊でしょ!!!」
 ビシィィッッ!!
 ナミに指を突きつけられ、サンジは燃え尽きた紙のように真っ白になってがくりと膝をついた。
 椅子に座り直したナミはさっさとタルトを食べてしまうと、
「ごちそう様~」
 立ち上がり、サンジを放ったらかしに颯爽とラウンジを出る。
 と、丁度ウソップが甲板から上がってきた。
「ナミ、サンジ居るか?」
「居るわよ」
「サンジー!コーヒー淹れてくれねェか~」
 入れ違いにウソップがラウンジに入って行った。が、すぐに戸惑ったように顔を出す。
「おいナミ、なんでサンジ“おーあーるぜっと”の形になって泣いてんだ?」
「さあねー」
 ふんふんふーん♪と鼻歌を歌いながら、ナミはみかん畑に上がった。たわわに実ったみかんを一個一個チェックする。今日もベルメールさんのみかんは瑞々しくて美味しそう。あー幸せ。
 ガチャガチャと金属の触れ合う音と硬い靴音が近づいてくる。良い気分を邪魔されたナミはムッと眉間に皺を寄せた。
「ナミ」
 振り返ると、サンジの件の相手、この船の剣士が立っていた。
「ちょっと聞きたいことがある」
「……何よ」
 聞きたいことがあると言ったくせにゾロはなかなか口を開かない。睨みつけるようにナミの目を見てくるので、生意気だわ、とナミも睨み返す。
 暫しの間があって、漸くゾロが口を開いた。
「あいつ……、コックは」
 低く、少しかすれた声。ゾロはふうと息を吐いた。
「コックは、オレのことを、ぶっちゃけどう思っているだろうか、ぶっちゃけ」
 ゾロとナミは無言で見つめあった。
 沈黙を破ったのはナミの涼やかな声。



「さあね、ぶっちゃけ船底にへばり付いた苔くらいにしか思ってないてんじゃないの?」



「ナミ居るかー?頼まれてた美容液作ってみたけど……」
 とてとてと音を立ててみかん畑に上がってきたチョッパーが、その光景を見て戸惑ったように立ちすくんだ。
「あれ、ナミ、なんでゾロ“おーあーるぜっと”の形になって泣いてんだ?」
「さあ?ぶっちゃけ興味ないわ」
 

 ナミはうーんと伸びをすると、二人がほんとの意味で出来上がった暁には、格納庫を彼らの部屋にしようと勝手に決めた。今日からか明日からか。時間の問題ね。
 口癖が移る位その人のことしか考えてないんだったら、腹括りなさいっての。
 ほんともうぶっちゃけ勘弁して欲しいこのバカップル!!




ええと、ナミさんは酷くないのです。もうずっとふたりの事を心配してたのです。
明らかに両思いなのにも関わらずいつまでもうだうだしてる体先行の二人に、そしてサンジの「ぶっちゃけ」連発にとうとうキレてしまわれたのでした。
ゾロに対しては怒りの余り嫌がらせですわホホホホ。
サンジだから許せますけど、実際「ぶっちゃけぶっちゃけ」って何度も言われたら私は「ウゼェーーー!!!!」とちゃぶ台ひっくり返すと思います、ぶっちゃけ(真顔)
なんかコーラにむせるサンジとかぶってるなあ。所詮私の考えるものなど……(ズーン……)


 15日、16日、18日、19日、21日、22日に拍手して下さった方ありがとうございましたー!!

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・・・拍手お礼vv

ほんとは16日 と バトン

バトンの続きです!


●毎日自動改札機にひっかかる[サンジ]



「もう嫌だ」
 そうひと言、低くかすれた声で呟いて、いつ拭かれたかわからないようなプラスチック製の簡素なテーブルに両肘をつき、普段から猫背の背中を更に丸くして、サンジは死んだ魚のような目で向かいに座るゾロを見た。心なしかサンジがいつも「戦闘服」と呼んでいるスーツもよれよれだ。
 開かれっ放しのサンジの口から、タバコの煙がもわもわと、まるで魂が抜けていくかの様に拡散していく。放っておいたらヨダレまで垂らしそうな生気の抜けた顔だ。
 ゾロとしては、こんなタバコ臭く煙たく、若者同士のどうでもいい会話や下卑た笑い声がうるさい全国チェーンのコーヒーショップ2階喫煙フロアからは、さっさとオサラバしてしまいたいのだが。
「なんで……!なんでオレだけ毎日毎日自動改札に引っかかるんだ……!!」
 はあああ、と深いため息を吐いたサンジはまだまだ立ち上がる気配も無い。しょうがなく、ゾロは紙コップの冷めかけたコーヒーを啜った。
 部署は違うが同期入社のサンジは、偶然にもゾロの近所に住んでいて、同じ駅を利用しているので時間が重なった時には一緒に出社することも珍しくない通勤仲間である。
 最近、出勤時にプラットホームでサンジに会うと、開口一番眇めた目で睨まれ「今日もだ」と言われることが日課になっていた。この駅の自動改札機は最近、何故か毎回サンジをシャットアウトするらしい。
 そして今日、仕事終わりに会社のロビーでばったりと顔を合わせた時、コーヒーでも飲もうぜと誘われたのだが。
「そんな落ち込むなよ。死ぬわけじゃあるまいし」
 慰めようとそう言うと、サンジはがばりと顔をあげて青い目をかっと見開いた。ダン!!と拳をテーブルに叩きつける。
「てめェには!!わからねェのか、オレの苦しみが!!」
 サンジの体から怒りのオーラが立ち昇っている。
 あまりの迫力にゾロもちょっと仰け反った。
「期限切れの定期を投入してるならともかく、オレの定期はきっちり今年の9月まで使える6ヶ月もんだ。きっちりニコニコ現金払いで購入だ。パ○モだのス○カだのわけのわからねェもんでもねェ。それなのに毎朝毎朝オレの顔見りゃあの忌々しい、“ピンポーン”って音つきでバタンバタンと閉じやがって。お陰で最近じゃ会社のエレベーターの到着音までがオレの逆鱗に触れるんだ。毎日毎日行き帰りきっちり閉じるたァどういう了見だ。帰りはまだ良い。問題は朝だ。ただでさえみんな殺気立ってる通勤ラッシュ時に、“ピンポーン、バタン”!!慌てて定期を取って振り返ると、皆さんたいそう迷惑そうな顔でオレを睨んでやがる。オレが悪いんじゃねェっつーの!!ああ、しかし野郎からの視線なんかどーでもいいさ。あいつらが困ろうがイラつこうが屁でもねェ。いちゃもんつけてきやがったら蹴り飛ばす。だが、今日はとうとう、オレの真後ろにいらっしゃった、香水の香りもかぐわしい巻き髪の美しいレディに……!」
 そこでサンジは、ナイフで人を刺して我に返った殺人犯役の俳優の様に、両手を体の前でブルブルと震わせ叫んだ。
「舌打ちされた!!舌打ちされちまったんだよおおお!!その時のオレの気持ちがてめェにわかるかゾロよ!!」
 ……帰りたい。
 そう思ってしまったゾロは、ついつい今の気持ちを正直に口に出してしまった。  
「自動改札って磁気で読み取るんだったか?てめェがそのわけのわからん電波放ってるせいじゃねェのかよ」
「あの扉が閉まる度に世界から拒絶されてる気がする……!!」 
 ゾロの言葉が聞こえたのか聞こえてないのか、サンジは再びテーブルに突っ伏した。
「出勤前のお化粧したての麗しいレディ達が、オレのこと迷惑そうに汚いものみたいに見るんだ……!こんなのオレ、もう耐えられねェ……!」
 両手を拳にして、どん、どん、とテーブルを叩く。
「……有人改札通りゃいいじゃねェか」
「それじゃあオレが機械に負けたことになるだろうが!!大体な、日本人は機械に頼り過ぎなんだ。オレのイナカじゃ近くの駅はいまだ無人駅だ。電車降りたら運転席から顔出した運転手さんにキップ渡したり定期見せたりするんだよ。それがコミュニケーションってもんじゃねェのか!日本はそんな温かみを一体どこに置いてきちまったんだ……!」
 そうして、えぐ、えぐ、としゃくりあげ始めた。
 ……もう一杯コーヒー買ってくるかなーとゾロがぼんやりしていると。
「……決めた」
 眉間にくっきりと皺を寄せて、涙目のサンジが、顔をあげた。
「もういい。オレ、明日からバス通勤にする」
「は!?」
 驚いて、声が裏返ってしまった。
「毎朝毎朝、バスの運転手さんに定期見せてコミュニケーションとる」
「って、お前、朝からバスなんか乗ったら渋滞で遅刻するに決まってんぞ?」
「早起きして始発に乗る」
「始発!?なんでそんな極端なんだ!定期の残りはどうすんだよ!」
「駅員シメ上げて払い戻しさせる」
「めちゃくちゃ言うな!それに、バスだって今はなんか機械でピッ、ピッ、ってやるじゃねェか知らねェのか!?」
「じゃあ自転車だ!!自転車で通う!!」
「会社までどんだけ時間かかると思ってんだ!」
「うるせェ!!とにかくオレはもう嫌なんだ!!」
 そう言うと、とっくに冷めているだろう紙コップのコーヒーを取上げ、ぐびぐびと酒を飲むかのように飲み干してしまった。
 焦ったのはゾロだ。
 実は、とんでもないことだが、ゾロは、毎朝毎朝一緒に会社に通ううちに、このアホな電波サンジにうっかり惚れてしまっていたのだ。
 サンジとは部署の違うゾロにとって、朝の同伴出勤タイムはある意味幸せタイム、サンジと触れ合える貴重な時間だったのだ。だいぶ仲良くなってきたので、そろそろ、「近所なことだしうちへ遊びに来ねェか」等と誘っちゃうタイミングを計っている最中だったのだ。
 それが、バス通勤に変えられてしまったら。
 ゾロは、自宅から最寄のバス停がどこにあるか知らない。結構遠い、ということだけは近所の人に聞いて知っている。長く歩く事が問題なのではない。ゾロは、極度の方向音痴なのだ。バス停を覚えるまでに半年はかかる自信がある。しかも始発。自慢じゃないがゾロの睡眠時間は1日10時間以上必要だ。今だってギリギリなのに、始発なんてそんなの起きられるわけない。自転車も同じ理由で却下だ。そして方向音痴はここでもネックだ。サンジと一緒の出勤ならともかく、帰りはひとりで家に辿り着ける気がしない。無理だ。


 
 じゃあ、このままサンジが通勤手段をバス他に変えてしまったら……!!


 サンジに会える時間がなくなる……!!!


 そんなのはダメだ……!!


 今度は、ゾロが双眼をかっと見開いた。
 サンジの両手をがっと取り、握り締める。
「明日は、改札で待ち合わせようサンジ!」
「あ?」
 サンジが訝しげにゾロを見る。
「オレが、絶対にてめェを、無事に改札通してやる……!!」

 

 朝7時40分。○○駅。
 慌しく人々が改札口に吸い込まれていく。
 サンジは、後ろに立つゾロを不安げに振り返った。
 心配するな。
 そう気持ちを込めて、ゾロはゆっくりと頷いた。
 サンジが、緊張した面持ちでこくりと頷き返し、改札口に向かう。
 ゾロは、サンジが定期券を投入しようとしている改札機を睨んだ。
 機械のくせにサンジを苦しませ、オレの恋路を邪魔しようとしてくれやがってこの野郎。人間様を甘く見るな。
 深く深呼吸をし、足を開いて構える。

 
 毒をもって毒を制す。
 電波には電波だ。


 口の中で、ゾロは小さく呟いた。
「一刀流……!」

 

 平卦降魔……!!!!


 
 大きく、ゾロの体が踊った。
 サンジの定期券が、改札機に吸い込まれる。
 一瞬、全ての音が消えた。

 


 ざわざわと周囲の音が戻ってきた時、サンジの体は、改札機の向こうにあった。
「ゾ、ゾロ……!!」
 機械を通って飛び出してきた定期券を取り、サンジが信じられないといった顔で振り向く。
 やった、とゾロは小さく胸の前で拳を握る。
「ゾロ!」
 サンジが笑顔で手を振る。
 ゾロも笑顔でサンジに歩み寄る。


 ゾロは決めていた。
 サンジがちゃんと改札を通れたら、これからも、毎朝一緒に出勤したいと伝えようと。
 きちんと好きだと告白しようと。

 
「サンジ!」
 サンジに向かって、手を伸ばす。


 ピンポーン。
 バタン。
「あ」 

  
 
 呆然と立ち尽くすゾロの後ろに居たのだろう女性が、隣の改札機を通り間際、眉間に皺を寄せてちらりとゾロを見ていった。
 そんな視線はどうでもいい。
 サンジに他人のフリをされた事の方が比べ物にならないくらい痛い。
 一歩も動けないゾロに、改札口から顔を出した駅員さんが、
「お客さん、キップ入れなきゃ通れないよ」
と、言った。



おわり






く、くだらない……!!
しかしこれは、無駄に長くなった割には書くの早かったです(笑)
微妙な上に無理矢理なオチですみません……。
ほんとは駅員のギン(笑)がサンジさんの困る顔見たさに毎朝手動で……と思ったんですが、確かどなたかの日記で、このバトンが回答されてて、ゾロが手動でやってたら面白いっておっしゃってたんですよ。なので止めました。
一体どうしてサンジはひっかかり、なんでゾロはそれを打ち破ることが出来たのか結局のところはわかりません(笑)
因みに無人駅なのは私のイナカでーす!
高校入ってできた友人に、「○○ちゃんが使ってる駅って無人駅ー?」って聞いたら、笑顔で、「止めてよそんなイナカじゃないよ!」と言われました(笑)え……、うち、無人駅……。(屋敷の外に取り残されたホグバックの気持ち)


拍手ありがとうございましたー!!

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ほんとは14日 と バトン

先週は寒かったり暑かったり風が凄かったりでしたね!
雨と風で桜が散ってしまった……!もうちょっと見ていたかったな。
桜好きです。
日本人はみんな好きだろうけど。


バトン行きます!



●炭酸でむせる[サンジ]


 サニー号が3日ぶりに到着した陸は、陽射しも高い夏島だった。
 久しぶりの夏島に浮かれたクルー達は全員出払ってしまい、船番のフランキーは、昨日の戦闘で甲板に空けられた穴の補修作業をしていた。
 にじみ出た汗を首にかけたタオルで拭った時、タラップを上がってくる足音が聞こえてきた。
「おーいフランキー、コーラ買って来たぜ~」
「おう、悪ィなぐるぐる!」
 甲板に上がってきたのはこの船のコック。両手に買い物袋を抱え、ひょいひょいと猫の様に軽い足取りで近づいてくる。足元に買い物袋を置くと、コーラの瓶を数本取り出し「ほらよ」とフランキーに差し出した。
「おっ、サンキューな。なんか良いもんあったか」
「ああ、結構大きい市がたってた。とりあえず雑貨とか香辛料とかな。足の早ェもんは最終日にまとめて購入だ」
 言いながら、サンジは甲板に座り込んでタバコをふかした。 
「あー暑ィ。喉渇いた。アイスティー淹れてくっかな」
「オレの腹に残ってるコーラ冷えてっぞ。飲むか?」
「それってお前のエネルギー補給の残りもんじゃねェの……?」
「新しいのまるまる一本だよ」
「お前は?喉渇いてねェの?」
「さっき飲んだ」
「……じゃあ貰うかなー」
 フランキーが得意そうに腹の冷蔵庫から冷えたコーラを取り出し、サンジに渡す。
 ラッパ飲みでコーラを呷ったサンジは「ぷはーっ!」と笑顔で瓶から口を離した。  
「よく冷えてて美味ェ!」
「オレの腹の中で熟成させてるからな!」
「嫌なこと言うなよ」
 サンジが買ってきたコーラの瓶をがしょんがしょんと腹の冷蔵庫にしまいながらフランキーが思い出したように、
「そう言えば、ゾロならついさっき鍛冶屋行くっつって出てったぞ」
と言った。サンジがちらりとフランキーを見る。
「へえ」
「んで、今日は町の宿屋に泊まるってさ」
「……あ、そう」
 ぐびりとサンジがコーラを飲む。暫く黙っていると思ったらソワソワし出した。あーやっぱコーラにはレモンがねェとな、そう言って立ち上がったサンジに、フランキーが声をかけた。
「オイ、昨日のシメ鯖な、ゾロが冷蔵庫の前で食いてェなあってぼやいてたからよ、持ってってやれよ」
「ん?ああ……」
 返事をしかけて、はたと止まったサンジは、何とも言えない顔でフランキーを振り返った。
「……なんでオレが外泊するクソ剣士にわざわざシメ鯖持って行くなんて思うんだ?」
 有りえねェ、とサンジが笑いながらコーラを口に運んだ瞬間。
「あ?だってお前らデキてんだろうが。今日は二人で宿にしけ込むんだろ?」
「ブーーーーーーーーッッッッ!!!!」
 サンジが盛大にコーラを吹き出した。あまりの盛大ぶりにフランキーもビックリだ。
「ごほがはげほげほげほッッ!!!」
「オイオイオイ、ぐるぐる大丈夫か!?」
 慌ててフランキーが首にかけたタオルを放って寄越し、何時もなら、おっさんの汗がついたタオルなんか使えるかとにべもないサンジも、ぜえぜえと苦しそうに息を乱しながら鼻と目をタオルで拭った。
「な、何、なんで、ゾ、デキ、て!?」
 ぱくぱくと金魚の様にあえぐサンジを可哀相だなあと思いつつ、仁義に厚いフランキーは律儀に答えてやった。
「やー……、だってお前ら見てたら分かるだろそれくらい。わかりやすいし」
「……」
「始めの頃、お前に近づくと、ゾロのヤツオレに対してあからさまに威嚇してたしなー」 
「あ、そう……」
 サンジは赤くなったり青くなったり白くなったりしながら、おたおたと甲板に置いていた買い物袋を取上げると、フラフラとキッチンに向かう。
 あー、もしかして失言だったか?
 フランキーは手にした金槌で頭をがりがり掻いて、去っていくサンジの後姿に声を張った。
「や、悪かったな、内緒だったとは思わなくてよ。何しろたまに最中の声も聞こえるからてっきり公認かと」
「うわーーーーーーーーーーん!!!」
 サンジは泣きながらキッチンに走っていってしまった。
 残されたフランキーは、呆然と呟く。
「……いや、若いってな大変だな」 
 酸いも甘いも噛み締めたおっさんはひとり、うんうんと頷くのであった。



夏島なのにシメ鯖って……。何故なら私が食べたかったから(オイ)冬島の気候から突然夏島になったということにしといてください。こういう時グランドラインは便利だなー♪
うお!フラ兄書いたの初めてだ!!
むせるサンジはかわいい。(断言)


拍手ありがとうございましたー!!

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ほんとは13日 と バトン

せっかくぴよりちゃんにお勧めしてもらっているのにこのままじゃわんぴ映画が終わってしまう……!!和です!!
バトン続きです!本当は今は13日です!



●人見知りの[サンジ]


 はい、じゃあみんなよく聞いてね~。
 今日からみんなとお友達になる、サンジくんです!
 みんな、仲良くできるかな~?
 はあい、良いお返事ですね~!
 サンジくんがこの幼稚園のことでわからないことがあったら、みんな色々教えてあげてね~!
 じゃあサンジくんもみんなと一緒にお歌を歌おうか!
 ウソップくんのとなりに立ってくれるかな?ほら、あの鼻の長……ううん何でもない!端っこに居る、ね。ウソップくーん手を上げて~vv
 あはは、やだ、サンジくん緊張してるのかな~?大丈夫だよ、みんなとっても優しいよ~?先生の後ろに隠れてたら、みんなとお友達になれないよ~?
 ルフィくん、サンジくんは大福餅じゃないの。サンジくんが前住んでた北の方は、色が白い人が多いのよ~。色白は七難隠すのよ~。あああ、大丈夫サンジくん、ルフィくんは食いしん坊だけど、流石に人間は……いやいや、サンジくんのことを食べたりしないわよ~。
 あ、女のコの隣が良い?ナミちゃんの横に並ぼうか。恥ずかしいかな?
 ……ゾロくん!“ぐるぐるまゆげ”なんて言っちゃダメでしょ!!
 きゃあ!サンジくん!!なんて華麗なとび蹴り……じゃない、止めて!二人とも!!止めなさーーい!!


「おい!あの緑色のガキサンジにパンチ入れやがったぜ!」
「酷ェ!サンジの顔に傷が残ったらどうしてくれんだ!ヤキ入れにいくか!」
「バカ、子どものケンカに口出しちゃならねェっていつもオーナーから言われてるだろうが!見ろ、サンジだって負けちゃいねェ!」
「サンジは顔はかわいいがケンカはオーナー仕込みだからな、そこら辺のクソガキに負けるかってんだ!」
「あの……失礼ですけれど」
 ロビン園長先生は、ガラス戸にへばりついて、緑頭の子と黄色頭の子が乱闘を繰り広げている教室内を、心配そうに見ているコック服なのに屈強なおっさん集団に声をかけた。
「ご心配は分かりますが、担任のビビ先生は若いですけどしっかりした先生ですし、わたくしどもが責任をもってお預かり致しますので、どうぞお帰り下さいな」
 ……屈強なおっさん達が、ぺこぺこと何度も頭を下げて名残惜しそうに幼稚園から去って行く。
 きっと明日も、数人のコック服おっさん達に連れられて、サンジくんは登園するのだろう。
 こんなに箱入り息子ちゃんじゃ、人見知りにもなっちゃうわね。
 ロビン園長先生は小首を傾げ、くすりと笑った。


膝小僧は当然赤いです!
ほっぺたは桜色!
知らない人に会うと恥ずかしくてもじもじします!
↓裏設定
ビビ先生は、普段から身体的特徴で人をからかってはいけないと子ども達に言っているのに、ウソップ君についてだけはどうしても「鼻が長い」と言ってしまいそうになるジレンマを抱えています。先生だって人間だから……。

拍手[0回]

・・・拍手お礼vv

ほんとは12日 と バトン

ひいいいい雲隠れですみません!!
とりあえずバトン回答行きます!


●横断歩道の白い部分だけを踏んで渡る[サンジ]

 

 けん、けん、ぱ。


 サンジの赤いスニーカーが、暗闇に浮かび上がる横断歩道の白い部分だけを踏む。
 午前0時をとっくに回り、3月の終わりといえど夜中は冷える。何が楽しいのか、横断歩道のけんけんぱを繰り返すサンジの口から白い息が弾むように漏れた。
「おーーい、遅ェぞマリモちゃん!」
 横断歩道を渡り終えたサンジが笑顔で振り返る。鼻の頭と頬が赤い。誰だ、こいつに酒飲ませたヤツは。未成年だぞ。(そう眉を顰めるゾロも勿論未成年で、サンジの5倍は飲んでいる)
 コンビニで買った缶ビールやらつまみの入った袋を揺らさないように一応気をつけながら、ゾロは、機嫌よく車道を渡るサンジの後をゆっくりと追う。
「今日は楽しかったなあ~。あいつらとも暫くは会えないだろうから、今日は、皆でわいわいやれて良かった」
「……そうだな」
 くるり。
 酒に弱い幼馴染は夜空を見上げながら何故か1回ターンをした。そしてふへへ、と笑う。
 夜中の住宅街は車がほとんど通らない。今は役目を成さない赤と黄色の信号が明滅している。
 車道外側線の上を両手を横に広げてモデルの様な歩き方で進むのに呆れ、ゾロは早足で近づくとサンジの後頭部を軽く小突いた。
「うわ危ねェ!ラインから出ちまう所だったじゃねェか!」
「何やってんだてめェは」
「今のオレは線の白い所しか歩けねェんだよ!邪魔すんな!」
「はあ?」
「オレルールだ!店出た時に決めたんだよ!」
 バカバカしい。ていうかバカだな。
 小学生かてめェか、と溜息を吐いたが、放っておいて先に帰ろうとは思わない。  
 

 けん、けん、ぱ。


 公園の前を通れば、咲く準備をしている桜の固そうな蕾が、街灯に照らされぼんやりと白く光っている。
 車のエンジン音とライトが近づいてくる。ゾロは無意識に一歩下がったが、サンジは勢い良く、横断歩道へと踏み出した。


 けん。 
  

「オイ!!」
 慌ててサンジの腕を掴むと引き戻す。
 目の前を、車が結構な速さで通り過ぎて行く。横断歩道は歩行者が優先だと、マジメなチョッパーが常々言っている言葉が頭を過ぎり、ゾロは舌打ちをした。
「あっぶねェなあの車。てめェもぼさっとしてんな!」
 サンジの横顔は長い前髪で見えない。
「サンジ?」
「……ゾロ」
 囁くように名前を呼ばれ、聞き取りにくくて顔を寄せた。少しの酒と、煙草の匂いがする。
「オレさあ……、お前には、卒業した後は○町の専門学校で調理師免許取るっつったけど、あれ、やめたんだ」
 サンジは腕を掴んでいるゾロの手をそっと離させると、ゾロから距離をとった。
「A県でフレンチの店やってるジジイの知り合いが居てさ、そこで修行することにした」
 俯いたまま、サンジはゾロを見ようとしない。
「オレは、本気で絶対に一流コックになるからよ。学校で習う、なんて生っちょろいことやってらんねェんだ。ジジイの店だと、どうしても甘えが出ちまうしな」
 口元だけは、笑っている。
「だから……オレはあっちで頑張るから。お前も剣道頑張って……」
「そりゃあ奇遇だな。オレもA県行くんだ」
 遮るように言ってやると、暫く間があって、弾かれるようにサンジが顔を上げた。
「……は?」
 目をまん丸くしてゾロを見る様子が面白くて吹きだしそうになったがなんとか堪えた。努めて真面目くさった口調で、
「M大受かったからな。オレ、居なかった時あったろ?あれ、受験しに行ってた。言ってなかったか?」
 しれっと言い放つと、サンジの口があんぐりと開き、ぶんぶんと激しく首が横に振られる。
「し、知らねェ!!聞いてねェ!!一体何時の間に!!てめェ……何考えてんだ!!」
「オイ、夜中に怒鳴るな、迷惑だろうが」
「いや、てめェが常識的なこと言うんじゃねェ説得力がねェ!!つーかてめェS大推薦で受かってるだろうが!剣道はどうすんだ!なんで……!」
「オレはお前が好きだからな。出来るんならなるべく近くに居てェんだ。そんだけ」
 サンジの顎ががくんと下がる。
「……は」
「剣道はどこでもできるしな」
「す、好き……って」
 もう一度サンジの腕を掴み、ぐいと引くとその体を抱きしめた。サンジの体温が高い。
「好きだ」
「ゾロ……」
「だから、もうオレから逃げようとすんな」
「!!」
 びくりと、ゾロの腕の中でサンジの体が固まった。
「お前も、オレが好きだろ」
「……!」
 ゾロが、サンジが自分のことを好きなのではないかと気づいたのは最近だ。ウソップから、サンジが卒業後実は県外で就職しようとしているらしいことを聞き、自分の傍から居なくなると思った瞬間、自分の気持ちに気づいた。そしてサンジも、恐らく自分と同じ気持ちであると。それなのに。
「なのに、なんで離れようとすんだ」
「……」
 サンジは答えない。
「どうせお前のことだから、なんかわけわからんことぐちゃぐちゃ考え……ぐはッッ!!」
 突然腹に衝撃を受け、ゾロの息が詰まる。サンジの膝蹴りが入ったのだ。
「てっ……めェ!何しやがる!」
「お前が引っ張るから白いトコだけ歩くルールを破っちまっただろうが!!」
「はあ!?」
「せっかく今までずっと白いトコだけ通ってきたのに台無しだ!」
 黒いアスファルトの上で地団駄を踏んでサンジが怒る。こんな時に何言ってんだこのひよこ頭!!と、流石にゾロも頭にきた。怒鳴り返そうとして、しかし言葉を呑んだ。
 サンジの顔が、今にも泣き出しそうに歪んでいる。 
「お、お前に何がわかるんだ」
「サン……」
「オレが、幼馴染を好きになっちまって、男同士なのに、女の子が大好きなはずなのに、オレがどんだけ絶望したかお前にわかるかよ……!!」
 握り締めた拳がぶるぶると震えている。単純明快なゾロと違って、きっとサンジはぐるぐると悩み続けていたのだろう。そう思うとゾロも堪らない気持ちになった。
「せめてずっと友達で居たいのに、傍に居るの辛くなってきちまって、離れたらお前なんか忘れられるはずだと思って、だから、家出て、ひとりで頑張ろうと思ったのに……!!」
 サンジの息が段々しゃくりあげるものに変わり、みるみるその青い瞳が水に包まれる。
「クソヤロー……!」
 そして、体当たりのようにゾロに抱きついてきた。
「苦しませて悪かった、悪い、サンジ」
 ゾロも抱きしめ返す。
「近くに居過ぎて、自分の気持ちにも、お前の気持ちにもなかなか気づけなかった。オレはバカだ」
 うぎ、ひぐ、とサンジが変な声を上げる。泣くのを我慢する時の声だ。子どもの頃から変わらない。
「気づいちまったら、離れたくなくなった。お前が家を出て頑張るっつーなら応援したい。だけど離れたくないからな、ついてくぞ。ストーカーだなハハハ。悪いが離れるつもりはねェ」
 サンジの耳に唇を寄せる。
「だから、諦めてオレのもんになれ」
「う゜う゜ーーーーっっ!!」 
 バカ、ボケ、ハゲ、と悪態を吐きながら、サンジはゾロの首筋にぎゅうぎゅうとしがみ付いてくる。
「んな締めんなよ、苦しいって……」
 大粒の涙をぼろぼろ零すサンジの背中をさすって宥めながら、ゾロは、頭上の桜を見上げた。
 いつのまにか、うっすらと紅色に染まる花が一輪だけほころびている。顔をくっつけられて見えないが、きっと、今のサンジの頬とよく似た色に違いない。ゾロの顔に笑顔が浮かんだ。

 あと数日もすれば、一斉に咲き誇るだろう。








無駄に長ェェェェェェェェ!!!!



これのお陰で日記書けませんでした……!!
書き終わるまで日記書かないって決めたから……!!
バカじゃないの私……!!
あのね、気づいた。前から気づいてたけどまた気づいた。
すたーだすととれいんとか、↑とか、思いを綴る、みたいな、情緒優先の文章ほんと苦手だ私……(オイ!!!)
酔っ払ってけんけんぱってかわいいなあと思って……。
酒もタバコもやっちゃってるので、大卒の二人の話しにしようかと思ったけど、いくらなんでも就職先をゾロが変えるのは難しいだろう、それに22歳でけんけんぱはちょっと……。(サンジならかわいいけど)じゃあどうする、とか変なことに時間を食いました。
思いっきり自分で自分の首を絞めるワアヤさん(死)
M大はサンジが修行する店のすぐ近くにあるので(ゾロ確信犯)、幼馴染で親同士も知り合いな二人は、これから同棲……同居……同棲……を始めるんですよvv
さあ、さくさく回答行きますよ!!(汗)


拍手ありがとうございました!!

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ヤ、ヤベェ…!! のと バトン

あああ、3月が終わってしまう!
サン誕ページすら出来てないのに!!
でも宣言します!!
サン誕ページは作ります!!サン誕必ずやります……!!

決意も新たに、しかしそんな中、


本格的に腰が立たねェ……!!


今日は、まずママンに、着替えや飲料用のお湯を入れたポットを持って行き、それから、先月おなかが大きかった友人の赤ちゃんが無事産まれたので、お祝いを買って会いに行って来ましたー!
甥2以来、久しぶりに産まれて数日の赤ちゃんを抱っこさせてもらいましたが、柔らかいなあ~vv
姉2のところで住み込みベビーシッターをしていたお陰で、自分の子どもが居ない割には赤ちゃんのお世話が上手です私(笑)
友人は出産まで2日半かかったらしく、もー話を聞いてるだけで私が死にそうになりました……!!まさしく命がけ!!
女の人はすごい!!!!お母さんは本当に偉大です……!!!!!


腰のお陰でちゃんと歩けず、病院の長い廊下、お祝いを買いに行った広ーいショッピングセンターがかなり辛かったです。
普段私が人一倍姿勢に気をつけているのを知っている友人は、おばあちゃん歩きの私に「どうしたのー!?」と愕然としてました(笑)
部位は違いますが、自由に動けなくて、おかんもずっと辛かったやろうなあ、と、こんなタイミングでおかんの気持ちがわかるとは思いませんでした。
おかんの病室に辿り着く前に、母がお世話になってる整形外科の前を通るんですが、私が診て貰おうかと思いましたよ。ヨタヨタ。


あとでバトンを答えに戻ります!


=====================================================


ただいまです!
ではバトンの続きを!


●スキップができない[サンジ]


 昔馴染みが営んでいる香辛料店の重い木の扉を押し開いて、ゼフは眉を顰めた。
 1時間前に、小遣いを渡してどこでも行って来いと言いつけたはずのチビコックの黄色くて丸い頭が、店への上り口の階段からひょっこりと覗いている。小さい頭の視線は、香辛料店の目と鼻の先にある広場で催されているカーニバルに釘付けだった。ピエロ姿のアコーディオン奏者が奏でる楽しげな音楽に、丸い頭がゆらゆらと揺れている。
「オイ」
 声をかけると、小さな体がぴょんと飛び上がる。
「なんだクソジジイ、早ェじゃねェか。昔馴染みとのオウセはもういいのか!?」
 慌てて立ち上がり、生意気な口調で胸を張るチビコックだが、言葉の使い方がおかしい。ゼフは溜息を吐いた。
「ああ。また夜に店に食いに来る」
「おっ、じゃあ下手なもんは食わせられねェな」
 チビコックは、ゼフが手にしていた紙袋をひとつ、よいせと取り上げると、広場とは反対側の港に向かってさっさと歩き出した。しょうがなく、ゼフも荷物を抱え直し後につく。
 ゼフたちとすれ違う人たちは、皆、少しお洒落をして、笑顔で広場へ向かう。
「……おめェも行って来い」
 目線を下げ、見えるつむじに向かってそう言えば、
「何言ってやがんだ。ディナーの仕込みがあるのにそんな暇ねェよ」
 呆れた様に言い返してくる。
「今日は近くの島からも人がいっぱい来るんだろ。書き入れ時だ。いつもより多めに準備しねェとな」
 果物やらパンやらが詰まった自分の頭より大きい紙袋を抱え、重いと思っている素振りを見せようともしない。全くこのガキは素直じゃない。
 と、チビコックが珍しいものを見るように目をやった。 道の端で、地元の子ども達が頬を真っ赤にして笑い声を上げながら踊っている。軽やかにステップを踏み、輪になってスキップでぐるぐると回る。
 そう言えば、先程すれ違った親子連れも、両親に挟まれた女の子がスキップしているのをサンジがさり気なく見ていた事をゼフは思い出した。
「おいチビナス」
「あ?なんだクソジジイ」
「お前スキップは出来るのか」
「……なんだよスキップって」
「あの子達がやってるだろう、あの足の動きだ」
「……あんなの初めて見た」
「お前、あの子達に教えて貰って来い」
「は!?なんでだよ!!オレはキョーミねェ」
 大きな青い目がゼフを振り仰ぐ。ゼフは、出来るだけ偉そうに言った。
「オレの足技を使えるようになりたいんなら、スキップくらいできる様になっとけ。足技にはリズムとタイミングが必須だ。スキップもできねェヤツが強くなれると思うなよこのナスが」
 サンジの頬がみるみる赤くなる。
「じゃ、じゃあジジイが教えてくれたらいいだろ!」
 そんな事を言い出すチビに、ゼフはぐっと詰まった。
「……冗談言うな。なんでオレが」
 唇を突き出してゼフを睨んだサンジの顔がはっと固まり、表情が曇る。
「……出来なくなっちまったのか?」
「ああ?」
「……足が、そんなだから」
 ゼフは、無言でサンジの尻を蹴り上げた。
「いってェ!!何すんだクソジジイ!!」
「舐めんなよクソナスが。出来ねェわけねェだろ。なんでわざわざこのオレがチビナスなんかに教えてやらなきゃならねェんだっつってんだ、勿体無ェ。100年早いわ!」 
「なんだとクソジジイ!!」
「いいから行って来い!!ディナーが始まるまで帰ってくるな!!」
「ふざけんな!!オレが居なきゃ店が回んねェだろうが!!」
「半人前以下のてめェなんざ返って邪魔だ!!悔しかったらスキップしてみろ!!」
「そんなもん教えてもらわなくてもひとりでできるようになるもん!!」
「いいから行って来い!!」
「い や だ !!!」


 そのままぎゃーぎゃーとケンカしている内に港に着いてしまい、結局、ゼフの密かな願い空しく、寄港している3日の間、意地っ張りのチビコックは頑としてカーニバルに遊びに行こうとせず。
 しかしその後、バラティエのあちこちで、いい歳をしたいかつい男達が顔を赤くしながら踏むスキップを、傍らでしゃがみこんで食い入るように見つめるチビコック、という奇妙な光景が見られ、オーナーシェフはコック達から「こんな恥ずかしい仕打ちを受けるとは思わなかった……!バツゲームか!!」と恨まれることとなる。



親の心子知らず。ゼフは、サンジを子どもらしく遊ばせたかったんですね。
ゼフとチビナスをちゃんと書いたのは初めてですが楽しかったー!無駄に長くなったぜ。
一箇所、「ゼフ」を間違えてうっかり「ゾロ」と打ってしまいました。
それもまた有り!!
今は華麗なスキップから見事な蹴りを繰り出すサンジも、昔は、子ども同士で遊んだ事ないからスキップできないどころかスキップ自体を知らなかったんだろうなー。そんで、大人たちに教えてもらって一生懸命練習したんだろうなかわいい!!!!
と、そんな妄想。


拍手ありがとうございましたー!!

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腰が立たない のと バトン

いや、そういう意味じゃなく(真顔)。和です。


痛くはないんですが、腰がまっすぐに伸ばせなくなってしまいました。
腰が曲がったおばあちゃん状態です。
前もありました、コレ。
姉1に、怒りって溜まると腰にくるんやって、と前も言われました。
確かに最近色々怒ってます。
最終的には自分に対して。


今日ってインテでイベントだったんですね!!ああー知らなかった。知ってても行けなかったけどー。
サン誕オンリーも行けなかったし、イベントにも振られ続けて(振り続けて?)おりますなあ。


バトン続き!


●蝶々結びがどんなに頑張っても縦結びになる[サンジ]


「サンジ君、エプロンが縦結びになってるわよ」
「はい?」
 かしゃかしゃと軽やかな音を立てながら見事な手さばきで卵を泡立てていたサンジが振り返る。
 ナミは、航海日誌をつけていたペンで、指揮棒よろしくぴしりとサンジの背後を指した。
「前から気になってたの。サンジ君のエプロンの紐、いつも縦結びになってる。ほら、リボンが傾いてるの」
「え?可愛らしくvv蝶々結びになってるでしょ?縦結びって何?ナミさん」
「サンジ君……、縦結び知らないの!?」
「え?え?なんかおかしい?」
 サンジは一生懸命体を捻ってエプロンの紐を見ようとしている。
 ペンを置いて立ち上がったナミは、サンジの背後に近づくと、エプロンの紐を解いてやった。
「ほら、こうやって結ぶと蝶々結び。こうやってやるのが縦結び。リボンが傾いちゃうでしょう?」
「え?あ!ほんとだ違う……!!オレ、19年間、縦結びを蝶々結びだと思ってたよ……!!うわああ恥ずかしい……!!」
 サンジはあわあわと慌てふためき、情けなくグル眉を下げた。
「もう1回!教えてよナミさあ~ん」
「しょうがないわねー。5千ベリーで手を打つわ」
「い!?」
 ナミのレクチャーで、サンジは縦結びと蝶々結びの違いを覚えたのだが、後ろ手にエプロンの紐を結ぶと、何度やっても縦結びになってしまう。
「もう!サンジ君、ネクタイはちゃんと結べるんだから頑張って覚えなさいよ!」
「ああああ。このままじゃ、ナミさんとオレとの間に出来たかわいい娘の髪に蝶々結びでリボンつけてやれねェ……!!」
 青くなるサンジの頭をナミが無言で殴り飛ばした瞬間、ラウンジにのっそりとゾロが入ってきた。
「ねえゾロ、あんたこのエプロンの紐、蝶々結びにできる?」
「あ?」
「あー!ダメだよナミさん!そいつは片結びしかできねェんだ!!」
「アホか。この前のはてめェがちゃんと蝶々にしろって言わねェからだろうが」
 そう言って、ゾロは逃げようとしたサンジの腰をがっと掴むと、エプロンの紐をささっと綺麗な蝶々結びにしてしまった。
「こうだろ?」
「……まあお見事」
「くっ……マリモのくせに……!」
「良かったわねーサンジ君。これからはゾロが、サンジ君のエプロンの紐、ちゃーんと蝶々結びにしてくれるわよvv」
「ナ、ナミさん!」
 サンジが慌てて叫ぶが遅かった。ゾロが、にやりと嫌な感じに笑う。
「へえ、お前蝶々結び出来ねェのか。いいぜ、オレが毎日結んでやっても」
 言いながら、つるりとサンジの尻を撫でた。サンジの顔が真っ赤になる。


「ナミさんの前で何さらすんじゃあああこのセクハラマリモ!!!」


 蝶々結びが出来ないコックも可愛くていいもんだ。

 
 蹴られて飛ばされながらも、ニヤニヤしたゾロの顔にそう書いてあるのを見てしまったナミは、「キモい。鳥肌立っちゃった。後でゾロに慰謝料請求しようっと」と、思った。
 勿論その後、サンジが死に物狂いで蝶々結びをマスターしたのは言うまでもない。
 


恋する☆エプロンの続きになっちゃった。
菜箸マスターに引き続き、蝶々結びマスターになるサンジ(笑)進化してますな!
とか言って、2○年間、縦結びと蝶々結びが違うと知らなかったのは実は私です……。
いまだに、ちゃんと蝶々結びが出来るかどうか怪しいもんです。
そんな私を可愛くていいもんだとか思う人は勿論いません……。


拍手ありがとうございましたー!!

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水怖い のと バトン

こんばんにゃ!ハリポタとタイタニックを交互に観てました。和です。
どっちも石田さんが吹き替えで出演されてましたね!和、最近ぎんたまのお陰でやっと石田さんの声を覚えました。
超有名声優さんなので、勿論お名前は存じ上げておりましたが、出演されてる作品を観た事なかったので、やっとです。
石田さん演じるヅラがすごい好きです(笑)


ところで、私、映画タイタニックが嫌い、というか怖いです。
水が怖いんです。
水で顔洗うの嫌いで、いつもぬるま湯で洗ってます。流石に夏は平気だけど。
小学生の頃、プールで泳いでる時に耳に水が入ったのが原因で片耳が聞こえなくなって、また耳に水が入るのが嫌で泳ぐのを止めたら、水に浮く事すらできなくなりました(笑)顔を上げた状態の平泳ぎで15メートルが精一杯!
だから、潜水艦の映画とか、水がぐわーって迫ってきて、「溺れちゃうよー!」なシーンとかも怖くて嫌いです。
アラバスタのプリンスサンジな場面も、水のあがってくる速度が遅いので大丈夫ですが、自分が牢屋に入れられて水攻めされたら途中で失神すると思います……!!
大好きな未来少年コナンは、水攻め場面が多いんですよ!
最近見ないのですが、以前は、津波が襲ってくる夢を良く見ました。


水難事故のニュースは本当に怖いです。泣けてくる。


でも、海を見るのが大好きで、船に乗るのも大好きで、噴水が上がるのを見るのも大好きなんです。
アホなんやろか。


前置きが長くなりましたが、いのしかちょうひらさんからバトンを頂いておりました!ひらさんありがとうございます!


「愛の試練バトン」

☆ルール☆
[ ]内に指定されたキャラを当てはめ、それでも愛せるか!!を問う。

お題:『サンジ』  


フツーに答えても面白くないので、小ネタ風に答えてみたいと思います。←無駄に意欲的。


●箸がうまく使えない[サンジ]


「ああッ!!」
 つるりと、箸で掴もうとしたパスタを逃し、サンジが悲痛な叫び声をあげる。
 ナミが読まなくなった数日前の新聞を読んでいたゾロは、呆れて片眉を上げた。
 最近サンジがハマっているのは箸だ。
 立ち寄った島で購入した箸を使って、器用に焼き魚を食べるゾロを見て興味を持ったらしい。自分も早速菜箸を購入してきて料理の際に使っている。
 が、ただでさえ箸は一朝一夕で使えるようになるものではないのに、普通の箸より長くて太い菜箸を箸初心者のサンジに上手く使えるわけがない。
「うう……」
 サンジが唇を突き出して呻く。
 パスタは時間との勝負、とはコックの言だ。使い慣れたトングをちらりと見て、しかし菜箸を離そうとしない。茹で上がったパスタを菜箸で掬って鍋からフライパンに移そうとして、飛ばした熱湯を顔で受け「アチィ!」と喚いている。
(しょうがねェな)
 ゾロは溜息をつくと立ち上がった。
 サンジの背後に回ると後ろからサンジが手にした菜箸を取り上げた。
「なんだよ!?」
 サンジがぎょっとしたように声を上げたが無視だ。
 ゾロは普段左手で箸を使うが、右手でやってやれないことはない。「こうやるんだ」と箸を正しく持ち、パスタをフライパンにひょいひょいと移してやる。箸は使い方さえマスターすれば、つかむ、裂くが同時にできる便利な道具だ。コックも覚えておいて損はないだろう。
 気がつけば、丸い後頭部からひょっこり見えるサンジの耳が赤い。なんせ後ろからすっぽり抱き込んでいる状態だ。それでも箸の使い方を覚えたいらしく、文句も言わず真剣にゾロの手元を見つめている。
 こりゃ悪くねェな。
 悪くないどころか、かなりかわいい。
 コックがずっと箸使いが下手ままだったらいいのによ。
 そんなことを考えてゾロはニヤニヤした。


 そんなゾロの願い空しく、負けず嫌いなサンジは連日連夜箸の練習に励み、あっという間に箸マスターになってしまうのであった。




恥ずかしながら、私はお箸の使い方がかなり下手です……。大人なのにいまだに練習中。

……軽い気持ちで始めましたが、この調子でバトンを答えてたら一体いつ終わるのか!?


拍手ありがとうございましたー!!

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君が居なければ

最近のじゃんぴのネタバレ有りなのでご注意下さい











「ナミさ~~ん!おやつですよ~~~vv」
 カモメ便で届いたグランドライン新聞を、デッキチェアーに寝そべって目を通していたナミは顔を上げた。
 こじんまりとしたメリーからどっしりとしたサニーへ。ナミがくつろげる場所はいくらでもあるのだが、やっぱり日の当たる甲板が好きなのだ。
 明日にはこのスリラーバークを出る。
 ダイニングからお盆を持って飛び出してきたサンジが、ナミの前で華麗にターンする。
「ご注文通り、世界で一番美味しいみかんを使ったスイーツですレディ」
 目の前に置かれた更に、ナミは目を丸くした。
「何これサンジ君……。リゾット!?」
「そうでーす!みかんのリゾット!」
 真っ白なお皿に、瑞々しいミントが飾られた鮮やかなオレンジ色のリゾット。
「みかんで美味しいデザート作って、って頼んだのは私だけど……。大丈夫なのコレ?」
「まあまあナミさん、そう言わずに食べてみてよ!」
 言いながら、サンジはリゾットにとろみのあるオレンジ色のソースをかけた。
「ささ、召し上がれ~vv」
 用意されたスプーンを手に取り、ナミは、オレンジ色のリゾットを恐る恐る口に運んだ。
 暫く咀嚼し、ナミはかしゃりと音をたててスプーンをテーブルに戻した。
「サンジ君……」
「何?ナミさんvv」
「……天才ッッ!!」
「イエス!!」
 サンジが拳をぐっと引く。
「ウソー!!信じられない甘酸っぱくてすっごく美味しい!ご飯とみかんが合うなんて……!」
「ナミさんのみかんは糖度が高いからね~vvちょっと工夫してみました」
 リゾットを口に入れる度にナミは「幸せ~vv」と顔を綻ばせた。
「だろだろ!?ナミさんのみかんが一番美味しく食べられる方法は何かな~って、色々試行錯誤してレシピ考えるのすげェ楽しかったよ。さあさあ紅茶も召し上がれ~vv」
 サンジが上機嫌にお茶の用意をする。
「ねえサンジ君」
「なんだいナミさんvv」
 ナミに笑顔を向けるサンジの頭には、まだ包帯が巻かれている。
「きっと、世界には腕の良い凄いコックさんがそりゃあたくさん居るんでしょうね」
 唐突なナミの言葉にサンジはきょとんとした。
「ああ、まあそうだね」
「3つ星レストランのシェフだったり王様のお抱え料理人だったり……」
「うん」
「でもね」
「ん?」
 ナミの大きな瞳がじっとサンジを見つめる。
「私の世界で一番美味しいみかんを、愛情をもって世界で一番美味しくなるように料理してくれるコックさんはサンジ君しか居ないんだからね」
「……!」
「居ないんだからね」
「ナミさ」
「わかってるわよね?」
 呆然としながらも、ナミに念を押されてサンジは。
「…………ハイ」
「よし!」
 ナミは勢いよく立ち上がる。
「ご馳走様!このリゾット、ロビンが帰って来たら作って上げてね。絶対喜ぶから。紅茶もらってくねー」
「ハーイ!」
 反射的に両手を挙げた(多分まだよくわかっていない)サンジを残し、ナミは紅茶のポットとカップを手にし、測量室へ向かうべく階段を上がる。
 デッキでは、予想通りというか、ゾロが寝そべっていた。目を閉じてはいるが、タヌキ寝入りなのは間違いない。
「言っといたわよ」
 すれ違い様に声をかける。
 ゾロがのそりと起き上がった。
「おお」
「何で私に頼むのかは知らないけど」
「……オレの言う事は聞かん」
 肩を竦めて立ち去ろうとしたナミに、独り言のような怒りをにじませたゾロの声が届いた。
「あいつだってちゃんとわかってんだ。けど、普段から嫌ってほど言い聞かせとかねェと、肝心な時にあいつは忘れやがる。忘れたふりを、しやがる」
 何があったのか、ナミは知らない。知るつもりもない。
 それでも、言わずにはいられなかった。
「あんたもね、ゾロ」
「あ?」
 訝しそうにゾロがナミを見た。
「サンジ君も、今のあんたみたいな顔、ずっとしてたのよ、あんたが寝こけてる間ね」
 ゾロの口が真一文字に弾き結ばれる。
「あんたも、忘れないでよ」
 ヒールの音を響かせて、ナミはその場を後にした。
 ゾロが難しい顔をしたままだろうと思うと、ちょっと笑えた。

 うちの男共は、ほんっとーにバカだわ。
 特にあの二人。似た物同士のバカップル。


 バカで、愛しい。


 さあ、前を向いて次の島を目指さなきゃ。




私がサンジに言いたかった事をゾロから。
ゾロからナミさんの口をかりて。
ナミさんに、コックのヤツに伝えといてくれって頼む剣豪ってかわいくないですか?(笑)年頃の娘さんのことを女性に相談するお父さんみたいで(意味不明)
みかんのリゾットはテレビで観たんですー!パクってすいません。美味しそうだった。


うえええテスト終わらないー!
拍手のお返事はまた後で!



というわけで戻ってきました!
3日、4日、今日と、連日拍手ありがとうございます!!
履修が終わったら更新頑張りますので……!!ていうかもうすぐサン誕だよーー!!スターダストトレインを終わらせて(ぴよちゃん待ってて……!!←これ何度言ったことか……)、今年こそ人魚とロプスを進めなきゃ……。
その前に今週のじゃんぴが読みたい!!まだ読めてません!!

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・・・拍手お礼ですvv

ミニブタサンジ3

「ではレディー達vv今日はお昼までここのやわらか牧草を堪能して下さ~いvv」
「「「「メェェェェェェェェ~~」」」」
 羊たちがのそのそと散り散りになるのを、サンジは満足そうに確認してから、トットットっと牧場の隅っこに生えている木の根元に腰をかけた。
 いつもここから羊たちのお食事タイムを拝見する。勿論気を配る事も忘れない。
(ああ、今日のたしぎちゃんはご機嫌だ。昨日はナミさんとこの馬のスモーカーが来てたからな……。恋する乙女は可愛いぜ~vv)
(テラコッタさん、草、食いすぎだな……。でもレディーにダイエット勧めるのもなんだしな……)
 何匹か、サンジの目の届かない所まで行ってしまった羊もいるが、この牧場はきちんと囲いがされているので、レディー達が迷子になる心配は無い。
(迷子が心配なのはむしろあのクソ駄犬だぜっ)
 サンジは、別の木陰でだらりと寝そべっているゾロをじろりと睨んだ。
 なんとゾロは、犬の癖に、迷子の迷子の子猫ちゃんなのである。ちょっと遠い丘陵地で牧羊を行おうものなら行方不明、こちらが探し出さなければ二度とお会いすることはできません。
「それって犬として有り得ねェだろ!」とサンジは思うのだが、飼い主であるルフィが、ゾロのそういう犬らしくない型破り?な所を気に入っているのだからどうしようもない。
 じゃあゾロがやる事をやらないのかと言うと、決してそうではない。やらなきゃいけない事だけは、やる。
 しかし、羊のレディー達に対するゾロの態度は最低最悪だとサンジは思う。
 トラックに載せる時、レディー達が行ってはいけない方へ行こうとする時、ダメ犬は羊の前にのっそりと回り込み、睨む。一瞬牙を見せて唸る。それに怯えたレディーが慌てて方向を変えるのだ。優しい言葉なんて一切かけない。そんな所が非常に気に食わないサンジが文句を言うと、小バカにしたようにはんっと鼻を鳴らす。ムカつく事山の如しだ。
(寝腐れ犬なんて、穀潰し以外の何ものでもねェ)
(その分オレがしっかり働かねェと!)
 ふんふんっと鼻から勢い良く息を噴出。気合い充分だ。
 ルフィには恩があるし、羊のレディー達に優しくし、守るのは男として当然だ。
(あんなクソ犬の世話にはならないぜ!)
 どれ、駄犬の様子でも見てやるかと顔を向ければ、ゾロは腹と舌を出してまるっきりリラックスモードで寝そべっている。仕事する気ゼロだ。 
 そのゾロの腹には、斜めに走る大きな傷がある。
 その傷は、牧場が狼に襲われた時、ここら辺で一番強いと有名な一匹狼ミホークと戦ってできたものだと、牝牛のミス・マンデーちゃんに教えてもらった。狼と一対一で戦って、大傷を作ったものの追い返すことに成功したのだと。
 その時は、「あんなでっかい傷作るなんて弱っちい奴だぜ!」なんて思ったサンジだったが、数日後、ルフィに連れられ訪ねていった隣村の牧場で、狼に殺された羊達を見た。普段アホ面をさらしているルフィも、真剣な表情で隣村の牧場主と話し合っている。サンジはふらふらと、倒れる羊達に歩み寄った。たった一週間前に、遊びに行ったサンジと一緒に楽しく笑った羊達だった。
 内臓を屠られ、喉笛を噛み切られている……。
 生まれて初めて、心の底から震えが来た。怖い。 
 ゾロは、たったひとりで、獰猛な狼からルフィの羊を守ったのだ。
(……あいつは気に食わねェが。もしかしたらすげェヤツなのかもしんねェ)
 実はちょっぴりそんな事を思うサンジだった。  


 その夜は、昼間のうららかさとは違い、春だと言うのにとても寒かった。
 サンジは、寒いのが嫌いだ。あったかいものから引き離され、閉じ込められた冷たくて狭い箱を思い出す。
 真っ暗な馬小屋の隅、他の動物達の寝息を感じながらも、サンジはぷるぷると震えた。積まれた藁の中に潜ってみるが、冷えた空気がサンジを飲み込もうとする。
 あの時は分からなかった。これも、“怖い”っていうんだ。
(朝になれ)
(早く朝になれ)
 いつもルフィが歌っているアホな歌を、サンジも頭の中で一生懸命歌う。
 足音が近づいてきた。
(……?)
 そっと眼を開けると、目の前に真っ黒な身体が。
「ひ!」
 普段丸まっているサンジの尻尾がぴーんと立った。
 と、どさりという振動の後、ふわりと、サンジはあったかいものに包まれた。
(……!!!!?)
 小さなサンジの体を抱きこんでいるのは……ゾロだった。顔が近づいてくるのに狼狽していると。
「ひ!?」
 べろりと。
 鼻を、湿った大きな舌で舐められた。
 そうしてゾロは、、サンジを抱き込んだまま前足に頭を乗せ眼を瞑ってしまった。
(な、な、何してんだコイツ……!?)
 突然の事にパニックになり、蹴り飛ばそうにも体が動かない。 
 その内、すうすうという寝息が聞こえてきたので、ゾロが本当に寝ているかどうかそうっと体を伸ばして確認してみた。完全に熟睡モードだった。
(なんで、コイツ……)
(……寝ぼけてやがんのか?)
 コイツも寒くて、オレを湯たんぽがわりにしてんのかな……。
 じゃあなんで舐めるんだ……。
 色々考えてしまうのだが。 
(まあ、お互い様ってことで)
 意を決して、ぴたりとゾロの体に身を寄せてみた。 
(……あったけェ……)
 体温の高いゾロの熱がサンジを温める。
 とくとくと、規則正しい心音が聞こえる。
(……犬くせェ……)
 これだから犬はイヤなんだ……。
 とくとくと、重なるゾロと自分の心音に、サンジはうとうとする。
 いつの間にか、サンジはゾロに体をすり寄せてぐっすりと眠り込んでいた。


つづく

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なぜやらなればならない事がある時に限って小ネタを思いつくんだろう

「「バカ野郎ッッ!!」」
 突然響いた大声に、デッキや甲板で思い思いの時間を過ごしていたクルー達はラウンジの扉を振り仰いだ。
 次の瞬間、この船のコックが物凄い勢いでラウンジから飛び出してきた。バタンと勢い良く扉を閉め、早足で階段を甲板へと降りてくる。階段下で道具箱を広げていた狙撃手は慌てて散らばった道具を回収した。
 と、コックの後を追うように再びラウンジの扉が開いた。出てきた緑髪の剣士のこめかみにも、立派な青筋が浮いている。完全な怒りモードだ。
「ドアは静かに閉めろっていつもテメェが言ってんだろうが!!」
「うるせェ!!」
 剣士の怒鳴り声に負けじとコックが怒鳴り返す。
 どかどかと足音荒く甲板を横切るコックに、寝転がっていたため踏まれた船長から「ぐえっ」と潰された音が出た。
 クルー全員が注目する中、コックは手早く縄梯子を下ろすと、涙目で振り返った。
「てめェなんかもう知らねェ!!絶交だ!!」
 ビシリ!と剣士に指をつきつける。全員が一斉に剣士に注目した。
「そりゃあこっちのセリフだ!!オレの前に二度とそのグル眉さらすんじゃねェ!!」
「死ねクソバカマリモ!!!」
 コドモの様な捨てセリフを吐くと、コックは縄梯子を素早く降り、街へと走って行ってしまった。


「クソ!あのアホコック!」
と毒づきながら乱暴に手すりを蹴った剣士は、クルー全員がそれぞれの場所から自分を見ている事に気づき舌打ちした。
「……見てんじゃねェぞ」
「サンジ君、エプロンしたまま行っちゃたわねェ……」
デッキチェアーにもたれ、優雅に足を組み替えた航海士は、冷たい視線を剣士に向けた。
「ゾロ、サンジ君に謝りなさいよ」
「はあ!?何でオレが!!」
「あのお洒落なサンジ君がエプロン外す余裕までなくしてたじゃない。どーせあんたがなんか酷い事言ったんでしょ?」
「あのなあ、お前、理由も知らないくせに……」
「いやあ、理由は知らないけどさァ」
 次に口を開いたのは狙撃手。心配そうにコックが走って行った方向を見ている。
「ありゃないよ、ゾロ、"二度と姿さらすんじゃねェ”って、あんな事言われたら誰だって傷つくぜ?謝った方がいいんじゃねェか?」
「や、オレァそんなこと言ってねェだろ、“グル眉見せんな”っつっただけで……って、問題はそこじゃねェ!今回の事に関してはオレは全く悪くねェんだ、あいつが……」
「サ、サンジ泣いてたぞ!!」
 頭の上から非難され慌てて上を向くと、見張り台では船医が目をうるうるさせながら剣士を睨んでいた。
「ゾロ、サンジを泣かせるなんて酷いぞ!!ザ、ザンジにあやばれよ~~」
 ぬいぐるみみたいな船医にまで泣かれそうになって剣士は慌てた。
「ちょ、待てチョッパー、言い訳くらいさせろ、元はといえばあいつがオレに」
「“絶交だ”なんて小さい子みたいでかわいいじゃない」
 ナミの隣でコーヒーを飲んでいた考古学者がゆっくりと顔を上げた。
「コックさんはまだ精神的に幼い部分があるのね。ここはあなたが大人になって謝った方が丸く治まるんじゃない?剣士さん」
「いや、しかしオレは悪くねェのに……!!」
 スクッ!!
 と音をたてるような軽快さで、船長が立ち上がり、剣士は言いかけた言葉を飲み込んだ。
 トレードマークの麦わら帽子を深く被りなおし、真っ直ぐに剣士を見つめてくる。
 この曲がった事が嫌いな船長なら自分の話を聞いてくれるかもしれない。
 期待を込めて剣士が口を開いた瞬間。




「ゾロ。今すぐサンジに謝れ。船長命令




 がぼーーーーん!!
 と、剣士の顎が落ちた。
「サンジが帰って来ねェとメシの時間が遅くなっからなー!!」
 ゾロー!早くしろよー!とか急かして来る階下の船長を本気で呪い殺したくなった剣士は、ブルブル震えながらずーんとその場に沈んだ。


(この船にはオレの味方はいねェのか……ッッ!!)




居ないよ。
問答無用でゾロのが悪いよ。
だって。



管理人がサンジスキーだから






と、いう訳で喧嘩の理由とか全く考えてません。
基本、切ないお話では「うううサンちゃん可愛そう……!!」と思っている和ですが、たまに「あーこれはサンジが悪いかも……ゾロがかわいそうかなあ」と思う時もあって、でも結局「でもやっぱりサンジがかわいそう!!」ってなるので、どういう理由だったらゾロの方がかわいそうと思うかなーって考えて、考えた結果が↑の話になりました(爆)
シャワー浴びてる間に突然思いついたネタ。他にやらなくちゃいけない事がある時に限って小ネタって浮かぶなあー……。 
ゾロスキー様本当に申し訳ありません。

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ミニブタサンジ2

 サンジの最初の記憶は、何か、とってもとってもあったかい物に包まれていた事。
 嬉しくて安心して、一生懸命擦り寄ると、体を、頬を、撫でてくれる柔らかい感触。
 優しい優しい記憶だ。


 だけど、次の記憶は暗くて冷たい場所。
 変な匂いの狭苦しい所に押し込められ、小さくなってブルブル震えていた。ガタガタゴトゴトという揺れと音が止まらない。寒い。お腹空いた。心細くて尻尾までぷるぷるしてしまった。自分以外にも近くに生き物の気配はあった。でも、聞こえてくるのは疲れたような溜息とうめき声。小さなブタに気づいてくれる者は誰も居なかった。それが恐ろしくて悲しくて、ひたすら目をつぶって小さくなっていた。


 お腹が空いて、もう動けない。


 気がついた時は、ゴトゴトいう音はしなくなっていた。
 そっと目を開けてみると、相変わらず狭い場所にひとりきりだった。
 でも、すぐ近くでざわざわと生き物が動く音がする。聞いた事もない音。音。音。
 首に何かがかけられているのが分かったが、頭を振って外す元気もなくなっていた。代わりに、乾いてしまった鼻をひくひくと動かしてみた。
 もう一度、あのあったかいのに包まれてェな。
 最期に。
 そんなことを思い、目を閉じた時。
「おっさん!!32番の景品ってこれか!?」
 すぐ傍で響いた爆音に飛び上がった。
「ああそうだよ。やっと当たって良かったな」
 さっきの爆音とはまた別の音。
「ああ!オレはオレが絶対当てるってわかってたんだ!牧場王になる男だからな!ししし!」
 ばこん!!
(眩し……っ)
 突然差し込んで来た光に目を細めた。
「景品はなーにかなーっ!」
 飛び込んで来たのは大きな黒い瞳。ぱちぱちと動くのに釣られて一緒になって目をぱちぱちと動かした次の瞬間、両脇にぐわっと何かを差し込まれ持ち上げられた。
 明るい光の中に。

 
 天高く抱え上げられた自分を嬉しそうに見上げてくるのは、麦わら帽子を被った生き物。
「お前美味そうだな!!」
 笑うその顔に、あのあったかい優しい記憶が一瞬甦った。
 なんでだろう。眩しい光の元は自分より上にあるのに、麦わらの少年が光に見える。
 持ち上げられたまま周りを見回して、ビックリした。
 麦わらの少年みたいな生き物たちがたくさん行き交っていた。
 紐につながれ、あちこちでふわふわ揺れる、色とりどりの丸いもの。
 ぴかぴかしたかざりのついた真っ白い四足たちが、音に合わせてくるくる回る。
 たくさんの笑い声。歌う声。
 尻尾がぴくぴくした。
「良かったなあルフィ。そいつは養豚場に行くはずだったが、一匹だけ景品用にこっちに回されたらしいぜ。お前にぴったりの景品じゃないか。しっかり育てろよ」
「おう!まかせろ!」
 麦わら少年の顔がぐっと近くなる。首にかけられた札を見て何か考えているようだった。
「32番……景品32……」
 麦わら少年の表情がぱっと明るくなる。
 そうして、麦わら帽子を被った頭の上に乗せられた。 
「よし!うちに帰るかサンジ!!」
 にっかりと笑った麦わら少年に、ぷひ、と小さくサンジの鼻が鳴った。


 これが、ルフィとサンジの出会いだ。



ミニブタ続き。出会い編。ルサンじゃん!
「牧場王」は「ぼくじょうおう」というつもりで打ったけど、「まきばおう」だな(笑)

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ミニブタサンジ。

サンジはブタだ。
くるんと巻いた眉毛と、くりんと巻いた尻尾が愛らしいミニブタだ。
でも、ただのミニブタじゃない。
立派な立派な牧羊ブタなんだ。


今日もサンジは、飼い主であるルフィの、「よし、牧場へ行くぞ!!」の声に、元気良く小屋から飛び出し、せっせせっせと走ってルフィのおんぼろトラックの荷台に飛び乗った。
そうして、朝早く起こされ荷台に載せられて、まだ眠そうにしている羊達に、
「おはようレディ達。今日も良い天気だね」
 羊達からしたら随分低い位置から精一杯首を伸ばして挨拶をする。
「おはようサンジ。今日も色艶が良くて、かわいいわねェェェェ(最後は“メェェェェ”の発音で)」
 そんな事を言われ、サンジは短い尻尾をぴろんぴろん振りながら、
「そんなぁ~貴女達の可愛らしさに比べたら
 つぶらな瞳をハート型に変え飛ばしまくった。
 瞬間、はんっと荒い鼻息がした。
「ああん?」
 さっきまでの愛の形の瞳はどこへやら、サンジは荷台からぐっと身を乗り出すと、トラックの横、寝そべる大きな犬を睨み付けた。
「朝っぱらから鬱陶しい音だしてんじゃねェよ。レディ達の爽やかな気分が台無しじゃねェか」
 犬は、前足に頭を乗せたまま片目をのっそりと開けた。
「……てめェのおしゃべりの方が、余程鬱陶しい……」
 低い声でぼそりと呟く犬に、
「ああ!?なんだとこのクソ犬ヤロー!!」
 ぷぎーぷぎーといきり立ったサンジが荷台から飛び降りようとした時、鋤と大きな風呂敷包みをかついだルフィが「東の牧場はあほばっかー♪」と歌いながら家から出来てきた。
「あぶねェあぶねェ、弁当忘れるとこだった。働く物は食うべし食うべし!!」
 そうして、寝そべる犬の頭をわしわしと撫でる。
「おっはよーゾロ!今日も宜しくな!!」
 笑顔全快の飼い主に、犬はぐあっとあくびを返した。その次にルフィは、荷台に載っているサンジの頭を撫でた。
「おはよーサンジ!!今日も美味そうだな!!」
 このクソ牧場主!!誰が「美味そう」だ!!
 ぴよんぴょん跳ねて抗議をしても、ルフィは能天気に「サンジは元気だなー」と笑うばかり。
「よっし、行くぞー!」
 ぼるるるん、と腹に響く音を立てて、おんぼろトラックががっこんがっこんと走り出す。
 全く、とんでもねェアホ飼い主に捕まっちまった。
 ふう、と溜息をつきながらも、実はサンジはルフィのことが気に入っていた。
 なんせルフィは、サンジを汚くて狭い木箱から救ってくれたのだ。


続く



おばあちゃんちで妄想してたベイブなサンジ!
また続き書きにきまーす。ゾロの犬種どうしよう!!何が良いですかね??←犬の種類に詳しくない


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大スペクタクル。ルサン風味。

「怪しいわ」
 眉間に皺を寄せてナミは言い切った。
「確かに……。服屋の店番で一時間1500ベリーもくれるっつうのが怪しいよな」
 ウソップも頷いた。
 GM号は新しい港に停泊していた。
 時刻は夜。というか、この島には昼間がこないらしい。港の到る所に輝くけばけばしいネオンが、逆にこの島を安っぽく見せている。
 ゆっくりと湾内を進むGM号を、頭にすっぽりベールを被った女が岸からじっと見つめていた。その女が、停泊作業をしているナミにバイトを持ちかけてきたのだ。
「まあとにかくウソップと行ってくるわ。サンジ君船番お願いね。あれ?ルフィは?」
「さっきまでそこに居たんだが……」
 サンジがきょろきょろと辺りを見回すと、港の建物の屋根からルフィがひょっこりと顔を出した。
「あ!いつの間に!!」
 サンジが声を上げる。どこで手に入れたのかルフィは早速口に肉の塊りを咥えていた。
「クソゴムてめェ!!勝手に上陸するんじゃねェ!!」
「腹が減ったんだ!!我慢できねェ!!この肉うめェぞ!!」
 ルフィの姿がまた隠れる。
「ルフィー!!出てきなさい!!この島は怪しいんだって!!」
 ナミが叫ぶも、屋根の影に麦藁帽子が見え隠れするだけで、ルフィが戻ろうとする気配はない。
 自分が焼いた肉以外を美味そうにかぶりついていたルフィに、サンジは物凄く悔しくなった。
 タバコのフィルターをぎっと噛んでから、腹の底から怒鳴る。



「ああそうかよ、その肉の方がてめェは良いんだな!!じゃあずっと食ってろ!!今すぐ戻ってこねェならてめェには一生オレのメシは食わさねェからな!!」


 
 数秒の間。
 びよんとゴム腕が伸びてきて、甲板の手すりを掴む。次の瞬間本体がびよーんと甲板に戻ってきた。
「それは困る」
 口の端に食べかすをくっつけたまま、船長は真剣な目でサンジをじっと見つめてくる。
「サンジのメシ以外食いたくねェ」
 サンジは船長の視線をまっすぐに受け止めながら、ゆっくりとタバコの煙を吐き出した。
「……アホ」 














っていう夢をね、見たんです。
 



夢の話なんで支離滅裂でごめんなさい。
あー、確かに私は普段から物凄く夢を見るんですが。色も声も味も痛覚もある夢を見るんですが。こんなわんぴ夢は初めてだよ。
ナミさんとウソップが古着屋へバイト(笑)へ行くんですが、バイトに行くのならナミさんじゃないだろう!な展開なんですが、その理由が、この二人以外の服のセンスでは服屋は務まらないから、だそうです。え??なんでサンジはダメなの??←己に聞け。
どうもベールの女が何かを企んでいるらしく、それをナミさんも気づいているらしく、サスペンス調な夢なんですよ。
サンジがね、「ルフィがオレが作った以外の肉を美味そうに食ってる!!」ってキレるんですよ。どんな乙女じゃい。
でも夢の中のサンジは、ちゃんとサンジでかっこ良いんですよ。
で、物ッ凄いルサンなんですよ……。「サンジのメシ以外食いたくねェ」って。
で、ですね。
この夢に何故か。




ゾロだけ出てこないんですよ。



ほんとになんでこんな夢みたんだか。




ちょっとだけじゃんぴネタバレ。感想は明日の日記で!!

















あの3コマに、彼の決意を見た!!!!




来週、絶対サンジはやってくれる!!
和、信じてる!!



拍手ありがとうございました!!

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某事務所にはチクらないで下さいお願いね

 交錯する光の海。熱気の中で人々の視線はステージに釘付けだ。
「そっち聞こえてるかーーー!!!」
 応えるように歓声が上がる。
「スタンドォォーーー!!!」
 叫びながら、下手から舞台中央へと走る彼の後を追うように続く、観客達の声、声。上手では、サンジとチョッパーが大きく手を振って観客を煽る。
「聞こえるかアリーーナァァァ!!!」
 アンプに足をかけ、客席に向かってルフィが叫び、汗が散った。本日最大、会場全体がまるで揺らいでいるかのような歓声に包まれた。


 人気急上昇中のアイドルグループ「ONE PIECE」、初めてのアリーナツアー最終日、会場は大盛り上がりだ。
 中盤に入り、5人のメンバーそれぞれのソロコーナーが始まった。
 最初はヴォイス・パーッカッションが得意なウソップ。ひとりでいくつもの音を出す彼のテクニックにファンから盛大な拍手が送られる。
 次に、メンバー一ダンスが上手いと言われているサンジのソロ。長い手足を生かした華麗なダンスと甘い歌にファンから熱い溜息が零れた。
 リーダールフィはパワフルなブレイクダンスを披露。人間離れしたパワーと太陽のような笑顔に興奮した歓声が上がる。
 マスコット的存在のチョッパーが、なぜかプレスリーのコスプレをして用意された高い台の上によいしょよいしょとよじ登る姿に、あちこちで「かわいい~~vv」の声が上がる。マイクスタンドを掴み可愛らしい声で「ラブミーテンダー」を熱唱、最後に巨大化し、ファンの度肝を抜いた。
 ソロパートのトリはゾロだ。
 暗転した舞台にスポットが当たる。目深にソフトハットをかぶって登場したゾロに観客はどよめいた。
 歌いながらマイクスタンドを、まるで愛撫しているかのようにゾロの大きな手が撫でると、その仕草に客席が湧いた。
 下手にスポットが当たり、同じくソフトハットを目深にかぶった長身の女性ダンサーが登場した。歌うゾロに絡んでいく。ゾロは両手を女性ダンサーの腰に添え、女性ダンサーがゾロの帽子を客席に飛ばす。二人で絡み合うように腰を揺らすと、彼女の長い金髪も揺れ、照明できらきら光った。あまりの密着度に、ゾロのファンから不満の声が飛ぶ。
 曲も終わりに近づき、ゾロから離れようとした女性ダンサーの腰を、ゾロがぐいと引き寄せた。
「ゾローー!!嫌ーー!!」
 突然のキスシーンに、客席から悲鳴が上がった。
 会場が騒然となった瞬間、ゾロが顔を離さないまま女性ダンサーの帽子を飛ばした。
 金の髪もばさりと落ちる。
 観客ははっと息を呑んだ。
 客席に振り返ったダンサーは実はカツラをかぶったサンジだったのだ。
 シンバルが連続で鳴り、暗転する。 
 客席から安堵の笑いと拍手が起こった。



 興奮と感動に包まれ、「ONE PIECE」初めてのアリーナツアーは、無事千秋楽を迎えたのだった。



終演後・おっかけの会話


「やーんもうすっごい良かった~vv感動したよね~vv」
「最終日に一列目で観られるなんてね!!もう今日は眠れないよ~vv」
「ルフィかっこよかった~vv」
「ウソ君とチョパコンビ可愛いよね~vv」
「サンジすっごいキレイだった~vv最後泣いちゃったし~vv」
「ゾロも今日が一番気合入ってたよね!!」
「ゾロのとこ、みんなびっくりしてたね~vv」
「うちらもう6回も観てるから驚かないけど、何回観てもどきどきするよね~vv」
「いつもより顔近かったよね~!!凝視しちゃった~vv」
「ていうかさ、今日さ、ほんとにしてるみたいじゃなかった??vv」
「マジで!?ていうかあたしも思った!!え!?マジでしてない!?って!!」
「だよねー!!だってサンちゃん顔赤くなかった??」
「えーー!!ウソーー!!」
「えー!!」
「「マジでチュウしてたのあの二人!!!?」」


こうしてまた、新しい腐女子が誕生したのでした。



実は本番前10分前に、ゾロに「お前が好きだ」とコクられてたサンジ。
必死に何時もどおり公演を終わらせようと頑張ってたが、観客の前でゾロにマジちゅうされて頭真っ白に。キスシーン後の「実はオレでした~」なおどけるアクションがすっ飛んでしまい、完全に素の顔をお客さんに見せてしまう。
ミスなく終えられたのは奇跡でした。
公演後、打ち上げ会場でゾロは事務所社長のナミさんに拳骨を喰らい。(しかし“ホモくさい”を売りにしようとしていたナミさんの目論みは成功した)
頭真っ白サンジはマネージャーのロビンちゃんに「てっきり蹴るのかと思ったけど良かったわ」とつっこまれ更に動揺し。


3日後には関係者以外厳秘な関係になっちゃったそうです。
マスコミには注意しないとね!!



おわり




朝、め○ましテレビでカ○ゥーンのライブを放送してたんです。
アカニシ君のソロで一緒に踊ってキス(の真似)をした金髪女性ダンサーが実はメンバーの子で、ファンも一安心、みたいなナレーションだったんですけど。
いや、むしろそっちの方が一部のファンにとっては美味しいだろうと。
朝から腐った事を考えてゾロサン変換したのでした。
こんなもんじゃなくて他に書かなくちゃいけないものあるだろお前何やってんのと思われた方、あなた様が正しいです。ほんますいません。
カ○ゥーンってみんなハタチくらいですよね。ゾロサンって彼らより下なんや!?うわ、めちゃめちゃおっさんくさいと思ってしまった梅雨前の朝。
アイドルゾロサン。誰か書いてくれーー。


拍手お礼vv
>Hさんvv
いつもいつもバトン回してすいません~!!観たら必ずバトンもやってくれはったんですね!!わあvv(愛)
マドンナ、かっこ良いですよね!!私も憧れですよ~vv

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食べちゃうぞ♪

こちらはCX第32スタジオ。(どんだけスタジオあるんじゃい)
お姉さんの歌に合わせて我茶品が軽快に、無ッ垢がくねくねと踊っている。
AD「はい!終了ですー!お疲れ様でしたー!!」



控え室。
我茶品と無ッ垢ふたりきり。
無ッ垢、仕事後の煙草は最高だぜとばかりにすっぱーとふかしている。
我茶品、自分で淹れたお茶をすする。そして徐に「食べちゃうぞ♪(仮名)」を歌い出す。
我茶品「……食べちゃうぞ♪……食べちゃうぞ♪」
無ッ垢「(手元にあったガラスの灰皿を我茶品に投げつける)るせェ!!てめェだけ持ち歌があるからって自慢げに歌うんじゃねェ!!」
我茶品「(頭をさすりながら)いや、次の収録で歌わなきゃならねェから練習を……」
無ッ垢「(もう聞いてない)あーーしんど。今日も疲れたぜ……。お疲れ!!オレ様!!」
我茶品「…………」
無ッ垢「っとにあのクソガキ、人のプロペラ引っ張りやがって、子ども番組じゃなけりゃ3枚にオロしてたとこだ!!親の躾がなってねェ!(ぷはーー)」
我茶品「…………」
無ッ垢「それに引き換えお姉さんの天使のような笑顔vvあなたのためならたとえ火の中水の中vv(ほわんほわんほわん)」
我茶品「…………」
無ッ垢「つってもほんとに水の中なのはてめェだけどな!来週ダイビングやらされるんだろ?ゴシューショーサマ。ケケケ(ホ・ホ・ホ)」
我茶品「…………てめェはほんとに……」
無ッ垢「なんだヨ」
我茶品「実態を見れば、間違いなく子どもの夢は壊れるな。敬語で優しい無ッ垢が実はこんな態度のでけェ口汚ェ野郎だったなんてよ」
無ッ垢「(鼻で笑う)ハッ。現実はそう甘くねェんだよ。大体てめェだってな、器用な我茶品様は何でもできるっつー事になってるが、実際はオレが我茶品を演ってやってる事も有るじゃねェか。こないだの“我茶品、お料理できるモン☆"、誰のお陰だと思ってんだ。てめェだったら間違いなく包丁で着ぐるみぶった切ってたろうがよ!!」
我茶品「…………」
無ッ垢「それなのに世間様は我茶品、我茶品って。こんな緑出っ歯の怪獣だぜ!?どう見たってオレ様の方がキュートじゃねェか!!納得いかねェ!!」
我茶品「………」
無ッ垢「スタッフだって、我茶品のメインがてめェだからって、てめェの寝坊を大目に見るしよー。本来ならオレの方がキレのある動きが出来るんだ!!それなのにキレがあるのは指先だけで、あとはうねうねうねうねしてろって演出の野郎に言われてよ!!ほんとやってらんねェぜ!!」
無ッ垢、どっかりと椅子の背凭れに体を預け、苛立たしそうに煙草をふかす。
我茶品「………別に、代わってやるぞ」
無ッ垢「……あ?」
我茶品「オレァ別に我茶品だろうが無ッ垢だろうがどっちでもいいんだ。たまたま髪の毛が緑色だった、ってだけで我茶品に採用されたんだ。てめェが我茶品の方が良いなら我茶品をやりゃあいい」
無ッ垢「…………」
我茶品「実際てめェのが器用だし、向いてるんじゃね?我茶品。“我茶品、お料理できるモン☆"、てめェの我茶品だったからガキどもがあんなに喜んだんだろ」
無ッ垢「…………」
我茶品、返答を待つが、無ッ垢が何も言わないので歌の練習を始める。
我茶品「食べちゃうぞ♪食べちゃうぞ♪」
無ッ垢「……てめェ、髪の毛が緑なのか?」
我茶品「あ?ああ、緑だ」
無ッ垢「……オレは、ノースの出身だって言ったら無ッ垢になった」
我茶品「そうか」
無ッ垢「ほんとにあのプロデューサー適当だな」
我茶品「だな」
二人、なんとなく着ぐるみのまま笑い合う
無ッ垢「そういや、随分長いこと仕事してるのに、お互い素顔見た事ないな」
我茶品「見るか?」
無ッ垢「え?見るか、って、ダメだろ。オレ達素顔は見せちゃいけねェ契約じゃねェか……」
我茶品「別に子どもに見せるわけじゃねェんだ。オレ達だけだ。問題ねェだろ」
我茶品、あっさりと着ぐるみを脱ぐ。
中から現れたのは緑の髪の精悍なオトコマエ。何故かちょっとドキドキする無ッ垢。
無ッ垢「……っ。てめェほんとに緑色なんだな!ハハハ!そりゃあプロデューサーもてめェを我茶品にするわけだ」
我茶品「るせェ。てめェはあれか、赤毛か」
無ッ垢「バーカ、違ェよ。……ん、そうだな、この部屋ちょっと暑すぎだ。オレも脱ごうかな……」
無ッ垢、ゆっくり着ぐるみを脱ぐ。
中から現れた無ッ垢に、我茶品、がぼーーーんと顎を外す。
煌く金の髪、青く澄んだ瞳、白い肌。なぜかグル眉。
赤い無ッ垢の衣装から細い首と肩を出してはふはふと息を吐いている。


なんと、今までこんな良いものが入っていたことをオレは知らなかったのか!!!


無ッ垢「はー、涼し。この衣装ほんと暑いんだよなー(ぺかりと輝く笑顔!!)」


ズッキューーーーーーーーン!!!


無ッ垢「……おい!?どうした!?てめェも暑かったのか!?鼻血出てんぞ!?」
我茶品「……食べちゃうぞ♪」
無ッ垢「あ???」
我茶品「……食べちゃうぞ♪……食べちゃうぞ♪」
無ッ垢「ちょ、なんだよ、オイ、ちょっと……!!?」
我茶品「食べちゃうぞ♪食べちゃうぞ♪」
無ッ垢「わーー!!どこ触ってんだオイ!!なんなんだ!?誰か!!誰か来てくれーーー!!!!」










無ッ垢「うぎゃあああああああーーーーーーーーーー!!!!」

(局内にこだまする悲鳴)












無ッ垢「……………………あ










おわり。








ぴよりちゃんと約束してたポンキ○キゾロサンやっと書けたー!!
謹んで贈呈致します(平伏)←いらないと思うよ。
多分、ぴよりちゃんが読みたかったのはこんなポ○キッキゾロサンではないと思う。くだらなくてごめんなさ……!!
我茶品と無ッ垢は、声も本人たちがあててます。(中井我茶品と平田無ッ垢……?)
因みに「食べちゃうぞ」は実際にレコード化されてる正真正銘ガチ○ピンの歌です。好き嫌い多い子は食べちゃうぞ~♪みたいな歌。トリビアでやってました。
大分前ですけど、銭金という番組で以前ムッ○の着ぐるみに入っていた人が出演してました。レポーター(確か有田だったような)にせがまれてム○クの動きをやってくれましたが、着ぐるみなしの○ックの動きはめっさめさ気色悪かったです。←失礼な。
皆さんご存知だと思いますが、ガチャ○ンのモデルはポール・マッカートニー、ム○クはジョン・レノンですよ。


名前は「無(ッ)垢」なのに、こんなひがみっぽい子にしちゃってごめんねサンジ。
お母さんはまだじゃんぴでのサンジの扱いが悔しいんだ。

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真冬の行水。

ガス給湯器が壊れました。


お湯が出るには出るけど熱湯がでないですよ。
ガス屋さんに来てもらったら給湯器が寿命との事。
器具を取り寄せて交換してもらえるのは土曜日だそうです。
土曜日て!!
うちはお風呂もガス給湯器です。
追い炊きなどできないので、お湯がでなければお風呂に入れません。
今日はストーブでやかんとお鍋を使って沸かしたお風呂で行水しました。
背中半ばを軽く超えるくらい長い髪のは洗うのが大変でした。
昔の人って大変やったろうなあ、凄いなあとまたしても思いました。
明日は姉1と銭湯に行ってこようと思います。
銭湯大好き!!


今日とりびあで大変な事を知ってしまいました!!
と、言うわけでいきなりですが久々の小ネタ。








「いてェ!!つうか熱い!!」
 本日のディナーの用意をしていたサンジは、ルフィの悲痛な叫び声に振り向いた。見れば、いつの間にかキッチンに入り込んだルフィが、剥きかけのみかん片手にひいひいと涙目になっている。サンジは盛大に溜息をつくと、素早くルフィに近寄りみかんを取り上げた。
「丸呑みにしなかったのは褒めてやる。ナミさんから特別に頂いたみかんを勝手に食うんじゃねェ!!」
 ルフィは片目をしぱしぱさせながら唇をにゅうっと突き出した。
「だってよー、キレーにテーブルに並んでて、食べてくださいって言ってたんだよ」
「誰がんなこと言うんだ」
「みかんが」
「言うか!!おい、どこら辺にかかったんだ?」
「ここー」
 指し示されたのは右の頬。ルフィのトレードマークの傷跡とは反対部分だ。
「ったく……。目に入らなくて良かったな」
 サンジはタオルを濡らすと、赤くなっているその部分をそっと拭いてやった。
「いた、いてェサンジ、もうちょっと優しく」
「オレは野郎に優しくする趣味はねェ!!チョッパーから言われてんだろ、みかんの汁に入ってる……えーとなんつった……なんとかって成分がゴムを溶かしちまうって。あーあー、火傷みたくなっちまってるよ」
「今日は勢い良く飛んだぞ汁!!」
「だからてめェはみかん剥くなっつってんだ!!」
「剥かなきゃ食えねェ!!みかんを丸呑みすんなっつったのサンジだろー。じゃあもうそのまんまでいい!!」
「今食うなってんだよ!!これは今日のディナーに使う……、こら止めろって!!わかったから!!」
 剥きかけみかんを奪い返され、ルフィがあーんと大きく口を開きみかんを放り込む寸前でサンジは折れた。
「ナミさんの大事な大事なみかんを丸呑みだなんて、たとえナミさんが許してもこのオレが許さねェ……ッ!!」
「わかったから早く剥いてくれよーサンジーー」
 じゃないと全部丸呑みしちまうぞーとしっかり書いてあるルフィの笑顔に脱力しつつ、サンジは、ルフィにみかんの汁が飛ばないように注意しながら丁寧に皮を剥いてやった。
(筋は……体に良いっつうしな、どうせルフィだし、そこまでやらなくていいだろ。あーでもこいつはこれもきっと丸呑みしちまうんだ……。んっとに手のかかる……)
 腹立たしく思いながらも、サンジはご丁寧に房まで分けてやった。
「あーん♪」
 無邪気に口を開けて待っているルフィに釣られて、みかんを口に入れてやる。
「うんめー!!甘ェ~~vv」
「当たり前だ、ナミさんのお作りになったみかんだぞ」
 半分以上自分がみかんの世話をさせられているということにサンジは気づいてない。
「もう一個!あーん♪」
「自分で食えよ!!」
 言いながらも、小鳥に餌をやっているような、ドウブツに餌を食べさせているようなそんな気分になってきて、サンジは結構楽しく思いながらせがまれるままみかんを口に入れてやった。
 美味そうにみかんを食べるルフィの、右頬の火傷が痛々しく見える。
「赤くなってんなあ……」
 頬に唇を寄せ、ふうふうと息を吹きかけてみる。
「くすぐってェサンジ!」
 ルフィが笑った。
 と、そこへガチャガチャと金属の触れ合う音が近づいてくる。
 ラウンジの扉が開いた。
「おいコック、水――」
 目の前の光景に、入ってきたゾロはがぼーんとなった。
 コックが、ルフィの頬にキスしている。(ようにアホな剣士には見えた)
 二の句が告げずに愕然と入り口に立ちすくむゾロに、サンジが「あ?なんだ?」と顔を向けたその瞬間。
「おかえしだ!」
 ルフィがサンジの手を掴み、その指を咥えあまつさえべろりと舐め上げたのだ。
「ひあ!」
 サンジの上げた高い声に、ゾロは後ろに倒れそうになった。
「サンジの指はみかんの味!」
 嬉しそうに叫ぶと、ルフィは「夕食楽しみだ!ご馳走さーん!」とラウンジを飛び出して行った。
 残されたのは剣士とコック。
「チクショウルフィの野郎!舐められた……」
 真っ赤な顔で指をエプロンで拭っていると、手元が影になった。あ?と顔を上げたサンジの前に、肩をぶるぶると振るわせた剣士が仁王立ちしていた。
 鬼のような形相の癖に涙目だ。涙目剣士が咆哮する。

「“おかえし"って何の“おかえし"だーー!!!」

「指以外にどこ舐められたーー!!!」

「“ご馳走さん”って何に対する“ご馳走さん”だーーー!!!」

 剣士が嫉妬に駆られているのが分からないサンジは、
(鍛錬のしすぎで壊れたか!?)
 思わず数歩後退ったりしてみた。




「なあウソップーー、自動みかん剥き機造ってくれよお~~」
「やなこった。んなもん造ったらナミに殺される!」
「じゃあサンジ型みかん剥き機!!」
「“じゃあ”の意味がわかんね!!」



終わり





というわけで、みかんの汁でゴムって溶けちゃうんだって今日のとりびあ~でやってたよ!!風船がみかんの汁で割れちゃうんだ!!
完全ルサンにするつもりが、私の中のゾロがやっぱりサンジサンジと騒ぎ出して、中途半端なルゾロサンになりましたとさ。
……書いてから気づいた。

「剥く」とか「剥くな」とか「筋」とか「汁が飛ぶ」とか。


R指定にした方が良かったですか?(ドキドキ)(下品ですいません)


なんとなく、「結局機械って便利だよね」みたいな結論になった今日の日記でした。早く給湯器復活(というか全取替え)して欲しい……。

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ノダ ワアヤ
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女性
趣味:
趣味はサンジ!
自己紹介:
2次創作サイトの管理人の日記です。
間違って来られた方はどうぞお逃げになって!!
「ゾロサン」とか「ゾロサン」とか、聞きなれない単語が飛び交ってますよ!!
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