和の世界は終わる日記
サンジスキーの管理人、ゾロの扱いが酷くてすみません。 読者様参加型小ネタやってます。カテゴリ「参加型小ネタ」よりどうぞ。
ミニブタサンジ2
- 2007/05/16 (Wed) |
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サンジの最初の記憶は、何か、とってもとってもあったかい物に包まれていた事。
嬉しくて安心して、一生懸命擦り寄ると、体を、頬を、撫でてくれる柔らかい感触。
優しい優しい記憶だ。
だけど、次の記憶は暗くて冷たい場所。
変な匂いの狭苦しい所に押し込められ、小さくなってブルブル震えていた。ガタガタゴトゴトという揺れと音が止まらない。寒い。お腹空いた。心細くて尻尾までぷるぷるしてしまった。自分以外にも近くに生き物の気配はあった。でも、聞こえてくるのは疲れたような溜息とうめき声。小さなブタに気づいてくれる者は誰も居なかった。それが恐ろしくて悲しくて、ひたすら目をつぶって小さくなっていた。
お腹が空いて、もう動けない。
気がついた時は、ゴトゴトいう音はしなくなっていた。
そっと目を開けてみると、相変わらず狭い場所にひとりきりだった。
でも、すぐ近くでざわざわと生き物が動く音がする。聞いた事もない音。音。音。
首に何かがかけられているのが分かったが、頭を振って外す元気もなくなっていた。代わりに、乾いてしまった鼻をひくひくと動かしてみた。
もう一度、あのあったかいのに包まれてェな。
最期に。
そんなことを思い、目を閉じた時。
「おっさん!!32番の景品ってこれか!?」
すぐ傍で響いた爆音に飛び上がった。
「ああそうだよ。やっと当たって良かったな」
さっきの爆音とはまた別の音。
「ああ!オレはオレが絶対当てるってわかってたんだ!牧場王になる男だからな!ししし!」
ばこん!!
(眩し……っ)
突然差し込んで来た光に目を細めた。
「景品はなーにかなーっ!」
飛び込んで来たのは大きな黒い瞳。ぱちぱちと動くのに釣られて一緒になって目をぱちぱちと動かした次の瞬間、両脇にぐわっと何かを差し込まれ持ち上げられた。
明るい光の中に。
天高く抱え上げられた自分を嬉しそうに見上げてくるのは、麦わら帽子を被った生き物。
「お前美味そうだな!!」
笑うその顔に、あのあったかい優しい記憶が一瞬甦った。
なんでだろう。眩しい光の元は自分より上にあるのに、麦わらの少年が光に見える。
持ち上げられたまま周りを見回して、ビックリした。
麦わらの少年みたいな生き物たちがたくさん行き交っていた。
紐につながれ、あちこちでふわふわ揺れる、色とりどりの丸いもの。
ぴかぴかしたかざりのついた真っ白い四足たちが、音に合わせてくるくる回る。
たくさんの笑い声。歌う声。
尻尾がぴくぴくした。
「良かったなあルフィ。そいつは養豚場に行くはずだったが、一匹だけ景品用にこっちに回されたらしいぜ。お前にぴったりの景品じゃないか。しっかり育てろよ」
「おう!まかせろ!」
麦わら少年の顔がぐっと近くなる。首にかけられた札を見て何か考えているようだった。
「32番……景品32……」
麦わら少年の表情がぱっと明るくなる。
そうして、麦わら帽子を被った頭の上に乗せられた。
「よし!うちに帰るかサンジ!!」
にっかりと笑った麦わら少年に、ぷひ、と小さくサンジの鼻が鳴った。
これが、ルフィとサンジの出会いだ。
ミニブタ続き。出会い編。ルサンじゃん!
「牧場王」は「ぼくじょうおう」というつもりで打ったけど、「まきばおう」だな(笑)
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