忍者ブログ

和の世界は終わる日記

サンジスキーの管理人、ゾロの扱いが酷くてすみません。 読者様参加型小ネタやってます。カテゴリ「参加型小ネタ」よりどうぞ。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

船長誕・出遅れました。

倉庫一掃大セール!残りの生鮮食材全て使って豪華夕食!と宣言すれば、船番なんてヤダヤダヤダヤダとゴネていた船長を確保するのは簡単だった。
新世界の新たな島に到着して3日目になっていた。
見事船番のくじを引き当てた船長と、久しぶりの陸で食物庫の整理をしたいサンジ、そしてなんで残っているかわからない剣士の、男3人で大量に作った飯をむさ苦しく食い尽くした。
「はーっ、食った食った!」
風船の様に膨らんだ腹を満足そうになで、船長はにっかりとサンジに笑いかけた。ルフィと同じく、食べるだけ食べて腹がくちくなった剣豪は、ルフィの向かいでがぶがぶ酒を呑んでいる。
「この2年で腕上げたなあサンジ!前からサンジの飯は美味かったけど、もっと美味くなってる!」
「……まあな、地獄の様な日々だったからな」
咥えタバコで皿を洗っていたサンジの目が、途端に剣呑なものになる。
「毎日毎日24時間、一瞬の気を抜く暇もなかった。ヤるかヤられるか、オレァそんな、まさしく生地獄を味わいながら、料理の腕を磨いてたんだ……!」
「へー、なんかよくわかんねェけど大変そうだな」
全然興味なさそうに言って、ルフィはゾロに、
「なあゾロ、サンジの飯、ほんっとに美味くなったよな!お前もこの2年、サンジの飯が食いたくてしょうがなかったんじゃねェの?」
と話しを振った。暫しの沈黙の後、ゾロは少しだけ眉を上げて、
「や、そんなには」
と、答えた。瞬間サンジのこめかみにびしりと血管が浮く。
「ほーお、そうですか。それはそれは。どうせあれだろ、あのキューティーちゃんに美味し~い飯でも作ってもらってたんだろ」
「いや、あの女は料理なんて全くでき」
「いいよなあてめェもルフィもよ!なんだかんだ可愛いレディーにかこまれてよ!オレがどんな思いで……」
ゾロの言葉を遮ってサンジがぶつぶつと怨み節オーラを放ち始め、再会してから何度も同じ話を聞かされているゾロは、面倒くさくなる満々の予感に顔を顰めた。船長がのほほんとゾロに問う。
「なんだ、ゾロ、お前、飯とかサンジのこととか思い出さなかったんか?オレのことは?」
「それどころじゃねェよ、鷹の目相手にしてたんだぞ」
「キューティーちゃんといちゃいちゃしたりな」
「なんでてめェはそういう……!」
「オレはいつも考えてた。早くみんなに会いてェって」
 船長らしからぬ言葉に、ケンカに発展しそうになっていたゾロとサンジははたと動きを止め、ルフィの顔をまじまじと見た。
「強くなったらみんなに会える、強くなったらみんなに会えるって、そればっか考えてた」
「……」
「そしたら強くなった!ししし!」 
――兄の死を乗り越える為に、ルフィがどれ程葛藤を繰り返したのか、どんな思いだったのか、心の底から理解することは誰にもできない。
せめてその時に傍に居てやれたなら。
サンジには、そんな苦い後悔のような感情が、やはりあった。
それでも、一番辛い時に自分達に会いたいと思っていてくれた。
(クソ、オレだって会いたかったぜ、船長)
こっそり心の中でそう呟いたサンジは、
「でも、一番思い出したのは、やっぱサンジのことだなあ」
というルフィの言葉に、
「へ?」
と間抜けな声をあげてしまった。
ゾロも、「あ?」と眉を寄せ、だらけ切った体勢をはっと立て直す。
「だって、修行してたら腹が減るもんよ。したら、メシ食いたくなるだろ?そうすっと自動的にサンジの顔が浮かぶんだ。ああ、サンジの飯が食いてェなあって」
「……そりゃどうも」
「そしたらもうサンジに会いたい会いたい会いたいーーーってなってよ」
「……」
「最低でも1日5回は思い出してた!」
「……1日5食かよ」
「会いたかったぞ、サンジ」
「て……っめェなあ!」
とうとう聞いていられなくなって、サンジはルフィの顔に、握っていた食器洗い用スポンジを投げつけた。
「男相手に口説くようなこと言ってどうすんだ!てめェ本当に修行してたんだろうな!?女ヶ島のレディー相手に口説きの修行とかじゃねェだろうな!?」
「ししし、顔が赤いぞサンジ」
「ア、っホか!」
ぐっと怒った顔をルフィに見せ、サンジは勢いよく水を出しで手を洗うと、
「あーバカバカし。オレ先にシャワー浴びてくるわ。皿は置いとけよ、あとで片づけるから」
そう言い残し、外したエプロンを投げつけるようにゾロに渡して、ラウンジを出て行った。
残されたのはルフィとゾロ。
「……てめェどういうつもりだ」
鬼でもぶった切るつもりなんじゃないだろうかという殺気を滲ませてゾロがルフィを睨みつける。が、当然船長は全く動じない。
「だーって本当だもんよ、メシ食う度にサンジの顔が浮かんで、そんでみんなに会いたくなって大変だった!」
「へっ」
面白くなさそうに鼻から息を吐き出すと、ゾロはぐびぐびとビンから直接酒をあおった。
ルフィはルフィで、デザートの三色ゼリーのてっぺんを、スプーンも使わずにかぶりついた。口の周りがベタベタだ。
「お前こそ、なんであんなウソつくんだ?今日はエイプリルフールじゃねェぞ」
ゼリーを飛ばしながら喋るので、ゾロが嫌そうに顔をしかめる。
「なんだウソって」
「サンジのこと、ほんとは思い出してただろ?」
どん、と音を立ててテーブルに酒瓶を置き、ゾロは鼻を鳴らした。
「別に、そんなの言う必要ねェだろうが」
「バッカだなあゾロは」
ルフィの癖に、本当に呆れたように言うのにゾロはイラついた。そのままシカトでもしようかと思ったのに。
「“毒でもカミソリでも消化してやる"……って、それで伝えたつもりか?サンジは絶対ェ意味わかってねエぞ」
言われて、どきりとした。魚人島でのやり取り、聞いていたのか、こいつは。
「サンジはちゃんと言ってやんねェとわかんねェんだぞ。2年前も、今も」
今度はルフィはきちんとスプーンを手に取り、丁寧にゼリーを掬った。本体から離されてしまったゼリーがぷるんと揺れる。
「言っとかないと、死んでからじゃ遅ェぞ」
……机の上に置いておいた酒瓶を再び手にし、ゾロはグビリと音を立てて中身を飲んだ。
「……ま、いーけどな、オレはそれでも」
黙ってしまったゾロの顔を覗き込んで、船長はニッと笑った。
「オレが言うからさ、サンジに」
何度でも。


瞬間、がたんと椅子を倒してゾロが立ちあがる。
「どうしたゾロ」
「……風呂」
それだけ言ってラウンジを後にしようとする。
「あーっ、サンジが入ってるのにズリィ!じゃあオレもオレも!ゼリーでベタベタになっちまった!」
ルフィがそんなことを言いだすので、慌ててゾロは走り出した。
「うっせ!絶対ェ来るなバカ!!」
「待てってゾロー!!」


3分後、サニー号の風呂に素っ裸の船長と剣士が乱入し、コックの怒声が響き渡ることとなる。


おわり



他ゾロサンサイト様だと、2年後のゾロはやけにさらりとサンジを口説いたりしてるのをよく見かけますが、原作の、サンジに対して憎まれ口連発のゾロ(サンジもだけど)を見て、人間、やっぱそんなに簡単に変わらねェな、と思って書いてみました。
小ネタとはいえ、新しく書いたゾロサン文載せるの久しぶりだ!!ゾロサンていうかルゾロサンですね。
船長の素直さを見習えーゾロー!


うう、5日に間に合わなかった。船長誕生日おめでとう!
更新履歴は明日の日記にて!
やっと声が元に戻り……きれてないけど戻りました!まだちょっと喉から色々出る。←汚いな。
姉1も風邪ひきさん。天候もおかしいですし、皆様もご自愛下さい。


5日・6日・8日に拍手して下さった方ありがとうございました!!

拍手[5回]

PR

COMMENT

NAME
TITLE
MAIL (非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS (コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます
 
  

カレンダー

02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

最新コメント

[12/31 和@管理人]
[12/27 おまけの一言]
[04/23 和@管理人]
[04/01 レイラ]
[12/06 和@管理人]

プロフィール

名前:
ノダ ワアヤ
性別:
女性
趣味:
趣味はサンジ!
自己紹介:
2次創作サイトの管理人の日記です。
間違って来られた方はどうぞお逃げになって!!
「ゾロサン」とか「ゾロサン」とか、聞きなれない単語が飛び交ってますよ!!
このブログへのブックマークはお止め下さい。

本棚

忍者アド

ブログ内検索

バーコード

アクセス解析

Copyright ©  -- 和の世界は終わる日記 --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Material by petit sozai emi 
powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]