忍者ブログ

和の世界は終わる日記

サンジスキーの管理人、ゾロの扱いが酷くてすみません。 読者様参加型小ネタやってます。カテゴリ「参加型小ネタ」よりどうぞ。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

懺悔の値打もない

参加型小ネタ続きです!
……最後にお詫びがあります……。




 次の日の朝食後からゾローズを船番に残し、クルー達は情報収集を始めた。
 サンジも食料の調達をしつつ、街の人達に「突然自分そっくりのヤツが現れるとか、人が増えるなんて話聞いたことねェか?」と訊ねて回った。だが皆怪訝な顔で「そんな話は聞いたことない」と言うばかりだ。
 夕食前にはきちんと船に帰ってきたクルー達も、「知らねェって言ってたなー」とか「そういや聞いたことあるようなないようなみたいな曖昧なことしか聞けなかった」とかで、めぼしい情報を得た者は誰一人居なかった。
「6人で手分けしても大した話も聞けないなんて、この島特有の現象じゃないのかしら……」
「まだ結論づけるのは早いと思うわ航海士さん。土地土地には、意外と地元の人でも知らない歴史が隠されているものよ」
 あーあ、と椅子の背もたれにどっと体を預けたナミを、ロビンが優しく慰める。
「まあでも今のところ、ゾロが2人になって困ることと言えば、サンジが襲われそうになってるってことだけじゃねェか……?」
「“だけ”ってななんだこの鼻野郎が!!」
「食費を忘れないでよ!食費は大きいわよ!
 ナミとサンジに同時に鋭い口調でつっこまれ、ウソップはあわあわしたが、
「けけけけどさあ、悪いことばっかじゃねェだろ?ゾロが増えたってことは、ゾロの戦力も2倍になったってことだぜ?」
「まあ、それはそうなんだけどね……。って、頼りにしてるっぽく言ってる割にはあんた全然ゾロ2に近寄ろうとしないじゃない。ルフィやチョッパーは平気で絡んでるのに」
「だってよーなんか嫌なんだよ!まだ何者かもわかんねェしさあ……」
 話題の主役であるはずのゾローズは、全く会話に参加せず、相変わらず席は離れているが見事なシンクロ率で夕食をガツガツかっ込んでいる。ゾロ達の分の肉に手を出そうとしたルフィのゴムゴムの腕を弾く動きも無駄がない。
「ケチ!!ゾロゾロのケチ!!2人居るんだから1個くらいオレにくれ!!」
 ルフィの抗議もゾローズは完全に無視だ。
「……凄く仲良しな双子に見えるわね」
「仲良しなんて可愛いもんじゃないけどね」
「でもさあ、このままゾロが2人だったら、どっちが大剣豪になるんだろうなあ」
 チョッパーが無邪気に言った途端、ゾローズの動きがぴたりと止まった。バチバチと火花を散らしながら睨み合う。睨み合ってるせいで、嬉々としたルフィに次々と肉を奪われている。アホだ。
「お肉盗られても大剣豪は譲れないんだ……」
 ナミが呆れたように肩を竦めた。
「ていうかゾロ、あんたちゃんと喋りなさいよ。黙られるとどっちがどっちかわかんないんですけど」
「え?お前わかんねェのか?どっちがゾロか」
 意外そうにウソップが目を見張られ、ナミの方こそ意外そうに、
「メリーに帰って来た時、甲板で二人してブンブン重し振ってた時は全然わかんなかったわよ。なんかゾロ2も始めはぼんやりしてた癖に1日経ったら凄くゾロっぽくなっちゃったじゃない?え、あんたすぐわかんのウソップ?」
「おお、だって全然違うもん」
「何言ってんだウソップ、一緒じゃねェか!!ゾロじゃねェけどゾロだからな!」
 ぎゃんぎゃんと騒ぐ面々に、サンジは頭を抱えたくなった。
 と、ルフィに食いつくされ食べる物がなくなってしまったゾロ2がぱんっと手を合わせ(“ごちそうさまでした”のつもりなんだろう)、使い終わった皿をがちゃがちゃと重ねるとシンクに運び出した。こういう行為はサンジが喜ぶが、ゾロにはできない芸当で、その動きを頬杖をついて横目で見ていたナミが「ほんと分かってる。タラシね……」とうっすら称賛した。
 皿をシンクに置いたゾロ2は、テーブルの端の席でゆっくり食事を取っているサンジへと歩み寄る。
「ほらね、意思が芽生えてきたみたい。自分から動いてるじゃない?」
 ナミがぼそぼそと囁く中、ゾロ2はサンジの横に立った。
「……んだよ。何か文句あんのか、ああ?」
 ナイフとフォークを持ったまま、サンジがゾロ2をじろりと睨み上げる。勿論、すぐ出せるように足は準備済みだ。ゾロ2が手を伸ばしサンジの頬に触れようとするのを「うぜェ!」と避けたが、ゾロ2は諦めず、サンジの頭を引き寄せると、髪にちゅっと音をたててキスをした。クルー達の間にビュウっと寒波が吹き荒れる。
「…………“美味かった、御馳走さん(低い声)”」
「やめてロビン!アテレコすんのやめて!」
「ててててんめェ!!」
 真っ赤になって怒るサンジに微笑みかけ、更に彼を背後から抱き締めようとしたゾロ2は、青筋を立てたゾロによってラウンジの外に連行されてしまった。が、扉の向こうでどかどかと激しい音がする。見に行った船長が、
「ゾロゾロがプロレスやってる!オレも入れてくれ!」
と飛び出していった。
「……サンジ君にしか害が無いって?」
「ハハハ……船は壊さないでね君たち……」
 ナミに睨まれ、ウソップが乾いた笑い声を上げる。
 サンジは冷汗がじっとりとにじんでくるのを感じていた。今日はゾロゾロをラウンジに押し込んで、男部屋のハッチには鍵をかけて寝た方が良いかもしれない。 


 
 こうして、3日目の夜も更けていった。
 



 
 次の日の朝になると、ゾロ2は更に自由に生き生きと動き回るようになっており、すっかり寝過ごしたゾロを出し抜いて、朝食を用意するのに集中していて無警戒だったコックに抱きつきシャツの隙間から手を突っ込むという狼藉を働き(しかも腰辺りになんか固くなったものを押し付けられた)、早朝から船内にサンジの悲鳴と怒号が轟き渡る事態となった。
 朝っぱらから無駄に疲れてしまったクルー達は、一刻も早くなんとかしなければと、ゾローズを船番に残し、それぞれ街へ向かった。
 チョッパーと一緒に船を出たサンジは、ふっと最初の晩のことを思い出し、ぴこぴこと隣を歩くチョッパーに
「そういや、変な感じがするって言ってたろ?あれどうなった?」
と訊ねてみた。
「うーん、あの日だけだったみたい。もう平気だ。変な感じしねェ」
 何だったんだろうな~とチョッパーも首を傾げるばかりだ。
 市場では、珍しい山の幸とチョッパーが欲しがっていた漢方薬は手に入れることができたが、人が増えるという話については、相変わらず大したことは聞けなかった。
「……なんかもうどうでも良くなってきた」
 煙草の煙を吐き出しながら、薄く隈を作った半目で呟くサンジにチョッパーが「ええっ」と慌てる。
「いっそのこと、ゾロを二人とも海に放りこんじまったらいいのかもしれねェ。オレの安眠の為に」
「目が真剣で怖いよサンジ」
「冗談だ」
 口を歪めて笑って、サンジはチョッパーの帽子を揺さぶった。チョッパーがエッエッエッと笑う。
「……でも」
「?」
「そしたら楽だろうなあ……」
 サンジの呟きは、チョッパーには聞こえなかったらしい。不思議そうに見上げてくる顔が可愛かった。
「……メリーに帰るか。夕飯は何が良い?」
「んとな、久しぶりにカレーが食べたい!」
「んな簡単なもんで良いのかよ」
「サンジのカレー大好きだもんオレ」
「よし、じゃあ今日はシーフードカレーマッシュルーム入りにすっか!」
「やほー!」
 そんな親子丸出しな会話をしながら、二人は船に帰るのだった。


つづく





申し訳ありません!!思ったより長くなってしまって設定した選択肢のところまで辿り着けませんでした!!(平伏)
いったんぶったぎってここでアップ!今回は選択はなしです本当に申し訳ありません……!!


24日に拍手して下さった方(しかもいろんな時間帯に)ありがとうございましたー!!

拍手[0回]




拍手お礼ですvv

24日

>桜咲さん
姫様!(平伏)
こちらこそ、バトンありがとうございました!バトン大好きなので楽しくて嬉しかったです!私も勝手に名前を挙げさせて頂いて、受け取っていただけて嬉しかったです!ありがとうございました!
シェルパティーはブドウと赤ワイン入りの紅茶なのですね!お洒落&美味しそう!そそそんな美しい紅茶にたとえて頂いて恐縮です……!番茶の癖に!って決して番茶をけなしているわけでは!アイラブ日本茶!!(ほんとめんどくさいヤツだな私)
ゾロサンティーパーティー開きたいですねー!こう、お洒落なカフェか、イングリッシュガーデンぽいところで、優雅に紅茶を頂きながら、会話の内容はゾロサンエロについてという、濃いお茶会を是非……!(笑)
桜咲さん宅のゾロ誕では、ゾロアリスはきっとお茶会に招かれてるんですよね……!紅茶の味が分かるのかゾロに……!(笑)




桜咲さんもぜひルゾロサンを(ぼそり)

25日

>カヲリさん
カヲリさーーーん!!お忙しいのに、日記見て下さってありがとうございます!!バトン、勝手にお名前を出させて頂いてるので、ほんとにお時間のある時で良いので!お気になさらないで下さいね!
カヲリさんの日記に、携帯が水に!!と書かれていたので、いつもカヲリさん携帯から拍手して下さってるのに!って私もショックでした!復活して良かったです~~!
あー!!そういえば信号機ってル→サン←ゾロですね!!光の順番から行くとゾロ→サン→ルですね!ヤバイ!!私ゾロ→サン→ル(ゾロサン前提)大好きなんですよ!!信号見る度にニヤニヤしそう!!
もうほんとに最近色でゾロサンとかルゾロサンとか思っちゃうので、日常生活が大変ですよ……(笑)

>はてなさん
はてなさーーーん!!いらっしゃいませ!!
実は、やっとルゾロサン祭を始めたので、はてなさんにもお知らせしようと、花筏様周辺をうろうろ(笑)してたんですが、お忙しそうだしお風邪もひいてらっしゃるし、こんな時にご迷惑だわ……、と躊躇してしまって……。わざわざメッセージありがとうございます!!
お時間ができたら是非!!参加して頂けると嬉しいです!!私もルゾロサン大好きだー!!
はてなさんのお風邪が早く完治します様に、西の方から電波を送っておきますね!←悪化しそう……

PR

COMMENT

NAME
TITLE
MAIL (非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS (コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます
 
  

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

最新コメント

[12/31 和@管理人]
[12/27 おまけの一言]
[04/23 和@管理人]
[04/01 レイラ]
[12/06 和@管理人]

プロフィール

名前:
ノダ ワアヤ
性別:
女性
趣味:
趣味はサンジ!
自己紹介:
2次創作サイトの管理人の日記です。
間違って来られた方はどうぞお逃げになって!!
「ゾロサン」とか「ゾロサン」とか、聞きなれない単語が飛び交ってますよ!!
このブログへのブックマークはお止め下さい。

本棚

忍者アド

ブログ内検索

バーコード

アクセス解析

Copyright ©  -- 和の世界は終わる日記 --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Material by petit sozai emi 
powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]